約8割の自治体職員が「自治体の産後支援を改善すべき」と回答 「支援を担う保健師や支援員の人材不足」を深刻度の高い課題として認識[調査データ]
子どもと未来、そしてすべての人がConnect(繋がり、結びつき)する保育研究プロジェクト「子ねくとラボ」を運営する株式会社明日香は、「子育て支援」を行っている自治体職員110名を対象に、「自治体の産後支援」に関する調査を行った。
調査概要
調査概要:「自治体の産後支援」に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年8月31日~同年9月1日
有効回答:「子育て支援」を行っている自治体職員110名
75.5%の自治体職員が「自治体の産後支援を改善すべき」と回答
「Q1.あなたは、自治体の産後支援を改善すべきだと思いますか。」の質問に対して「非常にそう思う」が33.7%、「ややそう思う」が41.8%という回答となった。
改善すべき自治体の産後支援、第1位「育児サポートの実施」、第2位「資金的な援助の見直し」
「Q4.あなたは、ご自身がお勤めされている自治体の産後支援は十分なものだと思いますか。」という質問に対して、「全く十分だと思わない」が8.3%、「あまり十分だと思わない」が33.6%という回答となった。
93.5%の自治体職員が「勤務する自治体の産後支援の改善」を希望
「Q6.Q4で「全く十分だと思わない」「あまり十分だと思わない」と回答した方にお聞きします。あなたは、ご自身の自治体における産後支援を改善すべきだと思いますか。」という質問に対して、「非常にそう思う」が34.8%、「ややそう思う」が58.7%という回答となった。
自治体職員の53.6%が、「支援を担う保健師や支援員の人材不足」を深刻度の高い課題として認識
「Q8.ご自身の自治体の子育て支援事業全般において、深刻度の高い課題を教えてください。(複数回答)」という質問に対して、「支援を担う保健師や支援員の人材不足」が53.6%、「保育者不足」が42.7%、「利用者へのPR不足」が38.2%という回答となった。
まとめ
結果として、約8割の自治体職員が「自治体の産後支援」について「改善すべき」と回答。改善すべき点は、「育児サポートの実施」や「資金的な援助の見直し」との回答が多く集まり、他にも「産後サポートケア施設の充実」や「支援窓口を増やす」などの声もあった。また、4割超が「勤める自治体の産後支援が十分ではない」と回答し、具体的な声として「いろんな申請を子どもが産まれてすぐに本人が役所まで行かないといけないのはきつい」や「支援施策が分かりにくい」などの悩みの声も挙がっていることが判明。
この調査により、自治体の産後支援が「不十分」と感じる自治体職員が多く存在することもわかった。資金的な援助の不足が仕事復帰への焦燥感を呼び、それらが育児のモチベーション低下に繋がっているという負の連鎖も明らかになっている。「自治体の産後支援を改善すべき」と多くの自治体職員自身も認識しており、より多面的な産後支援への改善が求められている。
(執筆:デジタル行政 編集部 和泉 理子)