加古川市、セブン銀行ATMとマイナンバーカードを活用した給付金等のATM受取システムの構築と実証を実施[ニュース]
兵庫県加古川市は、株式会社セブン銀行、株式会社セブン・ペイメントサービス、xID株式会社、株式会社両備システムズと、セブン銀行ATMで住民が給付金等の受け取りを安全かつ速やかに行えるシステムの構築と、関連する周辺環境の整備、本仕組みの本格導入に向けた実証を2022年7月頃行うことを発表した。
2020年に実施された特別定額給付金給付では自治体において膨大な事務手続きが発生し、給付金の入金までに相当の時間を要した自治体が多くあった。要因としては、給付金の対象者の銀行口座について、全員分かつ最新の情報を把握する必要があったことや、提出書類の確認や給付金の口座振り込み手続きに一定の時間を要した、といった事情が挙げられる。コロナ禍において1日でも早く給付金を受け取りたいという住民のニーズと自治体の給付事務の現状との間にあるギャップが浮き彫りとなった。
本実証では、セブン銀行ATMとマイナンバーカードと連携したデジタルID「xID」、両備システムズ「給付金等ATM受取システム」を活用してスムーズな受取環境を構築し、従来の給付金関係の事務処理プロセスが抱える課題の解決を目指す。
実証は2022年7月頃を予定。今回は犯罪収益移転防止法で規定される10万円を超えない範囲で実施し、本人確認にはマイナンバーカードと連携した「xIDアプリ」を利用。実証参加者は今後検討していく。
対象者は給付金等ATM受取システムを介して、オンライン上で本人確認を実施したのち、ATMでの給付金受取に必要な番号等を取得する。給付金等の支給にあたっては、セブン・ペイメントサービスの「ATM受取」を活用し、今回開発するシステムとAPIによる情報連携を実施する。
給付金等ATM受取システムは業務改善プラットフォーム「kintone」等クラウドサービスにより構築する。外部クラウドとの連携対応を容易にするため、xIDとの連携には「R-Cloud Auth for xID(仮称)」、セブン・ペイメントサービスとの連携には「R-Cloud Payment for セブン・ペイメント(仮称)」を利用する。LGWANから給付金等ATM受取システムを直接利用するため、クラウドアクセスサービス「R-Cloud Proxy for kintone」を利用する。
住民が自治体から受け取るものには、給付金だけでなく還付金などがある。住民が必要に応じて受け取り方法を選択できるよう、公的個人認証機能の実装を行い、今後は10万円を超える給付・還付でも利用できることを目指す。
(執筆:デジタル行政 編集部 和泉 理子)