兵庫県加古川市、市民生活に貢献する「データ利活用人材」の育成を目指す [ニュース]
加古川市は、スマートシティ推進の体制づくりの一環として取り組んでいる「データアカデミー」の成果発表を実施。研修を通じて検討・発表した政策提案は、職員提案制度などを活用して予算化を目指している。また、「データアカデミー」で得た知見を活かした第1回目の勉強会を10月20日(水)に開催する。
「データアカデミー」とは、市職員が行政データを分析し、市民視点でサービス等を設計するとともに、デジタル技術の活用等を検討しながら政策立案を行う研修制度。個別のデータ分析技術を覚えるのではなく、データ分析を課題解決プロセスとして利用できるスキルを身につけることを目的としている。
加古川市では、令和3年3月に「加古川市スマートシティ構想」を策定。多様化する市民ニーズに応え、円滑に行政を運営していくために、デジタル技術を活用し、業務の生産性を向上するとともに、社会変化に対応した市民サービスを提供できるデータ利活用人材の育成やスマートシティ化を推進する体制づくりを進めている。
データアカデミーを通じて、市職員のデータ利活用スキル、業務改善に対する意識の向上を図り、新たな行政サービスや事業を提供するだけでなく、既存業務プロセスを見直すことで、きめ細やかな市民サービスの提供を実現し、加古川市が市民にとってより快適に暮らせる場所へと進化し続けることを目指すとしている。
【データアカデミーについて】
「データアカデミー」は今年度から開始した研修制度。第一期生として、4課8名の市職員が参加し、所属する部署の業務(4業務)において抱えている課題をテーマに約半年間で計6回研修を実施。
〈講師について〉
講師はITを活用した市民コミュニティづくりと、組織の壁を越えて働ける越境人材づくりに取り組んでいる一般社団法人コード・フォー・ジャパン(Code for Japan)より派遣。一般社団法人コード・フォー・ジャパンは全国50以上の自治体に対して自治体内のデータを利活用する「データアカデミー」のアクティブラーニング型研修などを実施している。
さらに、講師により、図・イラストを活用したグラフィックレコーディングの手法を用いて研修内容の可視化を行うことで、参加者全員の理解を統一し、議論を円滑に進めるとともに、電子掲示板に資料を掲示することで、参加者以外の職員にも研修内容をわかりやすく伝えることを可能にした。
データアカデミーの取組に先立ち、令和2年10月、加古川市は一般社団法人コード・フォー・ジャパンと「スマートシティ推進に関する協定」を締結。3つの協定内容に基づき、スマートシティに関する取組を推進している。
【加古川市の今後に向けた取り組みについて】
<データアカデミー第2期を実施予定>
計6回の「データアカデミー」を通じて学んだデータ利活用や業務改善の手法をより多くの市職員に伝授するため、第1期の研修資料を参考に「データアカデミー第1期」に参加した市職員を講師等に迎え、内部人材のみで「データアカデミー第2期」を実施し、外部人材に頼らず業務改善を継続できる体制づくりを推進。10月下旬を目途に、新たな受講者(最大5グループ)を全庁的に募集し、研修を進める予定。
<行政DXを推進する自主研究グループの立ち上げ>
「行政DXをもっと身近に、もっと気軽に」をテーマに、組織内の業務改善やデータ利活用に対する意識を醸成するため、「データアカデミー」で得た知見を活かした勉強会を実施する予定。第1回目は10月20日に開催。職員課、広報・行政経営課、情報政策課など複数の所属から職員が参加し、業務フローチャートの作成をテーマに活動する予定としている。
(執筆:デジタル行政 編集部 與那嶺 俊)