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福井県、介護施設の夜間医療体制を支える「夜間オンコール代行サービス」の実証事業を開始[ニュース]

福井県、介護施設の夜間医療体制を支える「夜間オンコール代行サービス」の実証事業を開始[ニュース]

福井県は12月1日、ドクターメイト社が提供する、介護施設の夜間医療体制を支える「夜間オンコール代行サービス」を使った実証事業を開始した。

福井県では「CO-FUKUI 未来技術活用プロジェクト:」として、国内外の企業の革新的な技術・サービスの実証プロジェクトを誘致することで、地域課題の解決が行われ、福井を大胆に変革し、次の時代に新しい価値を創造することを目的とする実証支援事業を行っており、地域課題解決を図る「未来技術活用プロジェクト」6件を採択しており、本実証事業はそのうちの一つである。

福井県は、全国より5年程度高齢化が先行しており、高齢者に占める後期高齢者の割合は、2020年(令和2年)では52.2%となっており、中重度である要介護3以上の認定者の割合は40.0%と、全国平均の34.4%を上回っており、介護施設サービスご利用者様は7,687人となっており、施設サービスの利用者割合が全国より高くなっている。

介護需要の高まりに合わせて、福井県の介護職員数は増加しているものの、介護関連職種の2019(令和元年)年の有効求人倍率は4.27倍で、他の主職種と比較して高く、介護施設職員の増員のための多くの求人がある一方で、求職者を集めることが非常に難しい状況がある。

また、介護施設で負担が大きく、課題となっていることに夜間オンコール対応が挙げられる。夜間帯でも施設看護師には携帯電話を肌身離さずの状態で待機してもらい、施設入居者に転倒や急変等があり救急搬送が必要となった場合には、すぐに施設へ駆けつけて救急隊や病院と医療的なコミュニケーションを取る必要があることが大きな負担となり離職理由にもなっている。

本事業では、ドクターメイト株式会社が提供する「夜間オンコール代行サービス」を活用して、介護施設に入居する方の安心安全の確保と同時に、介護施設職員の夜間帯の負担軽減をしながら、必要な医療サービスを持続的に提供できるニューノーマルな地域連携システムの実現を目指す。また、令和4年度からは福井県で本格展開を目指して、効果的かつ持続可能な事業モデルの探索を行う。

【実施期間】
2021年12月1日〜2022年2月28日

【実施場所】
福井県勝山市

【協力団体】
独立行政法人地域医療機能推進機構 福井勝山総合病院
勝山市消防本部
福井県勝山市内の入居型介護施設6施設

【プロジェクト概要】
介護施設における夜間の効率的なオンコール対応及び新たな救急搬送モデルの構築

・介護施設の夜間スタッフから、ドクターメイトの看護師へ電話で相談が入る。
・ドクターメイトの看護師が緊急性を判断し、救急搬送の要否をアドバイスする。
・電話で相談を受けた内容をレポートとして作成し、施設へレポートを送信する。
・救急搬送が必要と判断した場合は、ドクターメイトから福井勝山総合病院へ情報が連携され、受け入れの準備を整えられる。患者情報が先んじて病院へ情報連携されているため、救急隊は施設へ到着次第、介護職員の同乗を求めることなく迅速に病院へ搬送することができる。

(執筆:デジタル行政 編集部 柏 海)