会津若松市、地域の移動需要創出に向けた実証実験を開始[ニュース]
福島県会津若松市は地域の移動需要創出に向けた実証実験を開始した。
会津若松市では「スマートシティ会津若松」を掲げており、市民目線で、産官学連携によって ICT (情報通信技術)を活用したまちづくりに取り組んでいる。
そのなか、三菱商事株式会社・株式会社マップルが地域の移動需要創出に向けた実証実験を、一般財団法人会津若松観光ビューローの協力の下、会津若松市内で開始している。また、本実証実験にあたって、両社はHERE Technologies社と「位置情報技術を融合した観光サービスの共同検討に関する覚書」を締結した。
実証実験の概要は次の通り。
①地域の魅力的な周遊コンテンツ配信と移動を支援するレンタサイクルの予約サービス提供
■東北有数の観光スポット「鶴ヶ城」の訪問客に対して、HEREのルーティング機能等を活用して、地域の魅力的なスポットを巡るコースを提示、ユーザーは自分の嗜好に合ったコースを選択できる。また、ワンストップで会津若松観光ビューローの運営するレンタサイクルの予約も可能となり、スムーズな移動体験を支援しする。
■レンタサイクルの活用により、旅行者は城下町特有の複雑な路地もスムーズに移動でき、また、自動車からの乗り換えによる渋滞緩和や環境負荷の軽減も期待できる。今後はレンタサイクル以外のモビリティとの連携により、更なる移動の最適化に向けて取り組む予定。
②ユーザーの移動情報の可視化・分析
■ユーザーの属性・嗜好情報とレンタサイクルのGPS機器から取得できる移動情報を掛け合わせ、HEREロケーションプラットフォーム上で可視化・分析。その分析結果を、新たな地域需要の創出、パーソナライズされた旅程提案、ストレスフリーな移動体験の実現に向けて活用する。
会津若松市の室井照平市長は次のようにコメントを寄せている。
「会津若松市では「スマートシティ会津若松」の取組みの一環として、スマートシティAiCTを開所するなど、ICTを活用したまちづくりを推進しています。このスマートシティAiCTを拠点に、地域の魅力的な移動サービスと新たな需要の創出に向けた実証が、三菱商事様、マップル様によって開始されることを心より嬉しく思います。本市、会津大学、スマートシティAiCTに入居されている各企業及び、地域企業等との産官学連携により、ICTに関する様々なノウハウが本市に蓄積し、スマートシティの先駆的な取組みや先端実証プロジェクトの進行がより加速することで、「地域の豊かさ」を感じることのできる移動サービス群がつくられることを期待しています」
(執筆:デジタル行政 編集部 柏 海)