トラストバンク コロナワクチン接種にもLoGoフォーム
4月から高齢者を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種が始まる。各地で自治体がワクチン接種に関する一連の動きを訓練している。 混雑や混乱も予想されるワクチン接種では、データやコミュニケーションの管理面でデジタルの力がこれまで以上に求められる。
LoGoフォームでワクチン接種を支援
パブリテック事業と題し、ICT技術を活用して、行政の業務改善を支援してきたトラストバンクは、LoGoフォームを通して、ワクチン接種予約フォームの提供を開始した。
LoGoフォームとは、ふるさと納税で知られるトラストバンクが開発したLGWAN(行政専用ネットワーク環境)対応の、自治体が窓口の申請フォームや住民向けアンケートなどを独自に作成しデジタル上でやり取りする為のツールだ。
市役所の職員などは、このツールで独自のフォームを作成し、自所のHPなどに掲載できる。住民は各自治体がLoGoフォームで作成したアンケートや申請フォームから、アンケートに回答したり、必要な手続きの申し込みを行ったりすることができる。まさに自治体の窓口業務のデジタルトランスフォーメーションだ。
この度トラストバンクはLoGoフォームを通して、コロナワクチン接種の予約受付・管理を電子化した。
QRコードの読み取りで申し込みフォームへ
ワクチン接種の対象となる住民は、自治体から接種券を含むワクチン接種に関する資料が郵送される。LoGoフォームを利用している自治体の場合、この資料の中にQRコードが付いており、これをスマホで読み取ると、ワクチン接種の予約申し込みが可能になる。
また自治体はHPでもワクチン接種の予約フォームへのアクセスを可能にできる。こうすることで、いつでもどこでも住民はスマホやPCから予約することができる。
予約可能な時期や接種可能日の予約枠残数も一目瞭然、住民はワクチン接種の会場と日時を指定できる。
住民は空いている会場や時間帯を簡単に確認できるので、申し込み手続きはより明瞭だ。
当日になったら、接種券と予診票、身分証を持って指定の会場へ向かえばワクチンが摂取できる。最終的にはすべての国民がコロナワクチンを接種できる環境になるだろうが、最初は医療従事者から始まり、次に高齢者とワクチンの接種対象が移っていく。
デジタルの方が管理しやすいワクチン接種
コロナのワクチンは二回の接種が必要になるが、住民は一回目の接種日を入力すると二回目の予約可能な時間枠が表示され、セットで両方予約することができる。
LoGoフォームにはワクチン接種の申し込みフォームのテンプレートがあるので、自治体にとってフォームを作るのは手軽だ。LoGoフォームはそもそもパーツを組み合わせるだけで簡単にフォームが作成でき、各自治体が独自の機能やデザインを持たせフォームを作成することができる。
接種券番号と生年月日で接種対象者を突合するので、間違った予約や二重予約も防止できる。 デジタルは苦手という住民も少なくない。自治体の中には、独自にワクチン接種に関するコールセンターを設けているところもある。そこでは、オペレーターが電話での応答によって、LoGoフォームに代行入力してワクチン接種を予約してくれる。
コロナ対応で大活躍のチャットサービス
トラストバンクは、LoGoフォームと合わせ、LGWAN環境とインターネット環境に対応した行政職員向けのチャットサービス「LoGoチャット」の提供も行っているが、こちらにも「新型コロナワクチン接種」と題されたトークルームを開設し、自治体職員がワクチン接種に関して様々な情報を交換・共有することに貢献している。
コロナのパンデミックはいつまで続くか分からないうえ、厚労省の方針も状況に合わせて変化していく。そんな中で他の自治体と素早く意見交換できる場は極めて有用になっていくことが想像される。
「国の動きやワクチン接種の対応に関するノウハウなどが話し合われたり、中にはDV被害者に接種券を送る際には、どういった点に気をつける必要があるか、といった課題の情報交換もあります」とトラストバンク広報渉外部の齋藤萌は語る。
現在LoGoフォームは全国202の自治体が(2021年2月15日時点)、LoGoチャットは582の自治体が(2021年2月1日時点)利用しており、今回のワクチン接種予約フォーム機能は追加料金の対象とはならない。
トラストバンクは顧客の自治体からの要望に答える形で、LoGoフォーム上にコロナワクチン接種のフォームを特別に作った。コロナ禍でテレワークが定着しつつあるが、生活と仕事面でかつてないスピードでデジタル化が進んでいる。
(執筆:デジタル行政 編集部 長野 光)