行政情報システム研究所、「行政サービスにおけるデジタル格差に関する調査研究」報告書公開 [調査データ]
一般社団法人行政情報システム研究所(AIS)では、2020年度に「行政サービスにおけるデジタル格差に関する調査研究」を実施し、報告書を公開した。
AISでは毎年度、デジタル・ガバメントに関する様々な課題について調査研究を実施。2019年度には、アジャイル型開発やパブリッククラウド(同年)、2018年にはデザイン思考を取り扱っている。
今年度は、行政サービスのデジタル化が進展する中で顕在化しつつあるデジタル格差の課題の実情を、実際のサービス利用者である住民や自治体職員、専門家へのヒアリングを通じて明らかにした。また、デンマーク等の先進事例を踏まえて、今後のデジタル化推進にあたっての行政の打ち手を導出した。
★報告書はこちらから無償でダウンロード可能。
https://www.iais.or.jp/reports/labreport/20210615/divide2020/
【本調査研究の特徴】
・行政サービスのデジタル格差について、わが国ではじめての本格的な調査研究
・10自治体へのヒアリングを通じて自治体での現場の課題も把握・整理
・豊橋市・長岡市の全面協力を得て調査を実施し、両市長の特別インタビューを掲載
・自治体職員、専門家だけでなく、高齢者や外国人など様々な属性からなる住民へのインタ・ビューを23回にわたり実施し、「生」の課題感覚を把握・整理
・調査結果は、市長のインタビュー動画、報告書のダイジェスト動画、住民の本音をビジュアルにまとめた資料など、様々な切り口で紹介
【調査研究から得られた洞察】
・デジタル格差への課題認識は、自治体によってかなりの差がある。一般的には、デジタル化の進展に伴って課題認識は高まる。
・デジタル格差には様々な態様があり、それぞれ講ずべき施策も異なってくる。
・自治体職員には認識できないデジタル格差の課題が存在している。
・デジタル格差は、住民と職員の両方に存在しており、どちらも対応が必要である。
【調査研究の成果物の構成】
・調査研究 ダイジェスト映像
・豊橋市⻑、⻑岡市⻑インタビュー ダイジェスト映像
・行政サービスにおけるデジタル格差に関する調査研究 報告書
・行政サービスにおけるデジタル格差に関する調査研究 報告書(要約版)
・行政サービスにおけるデジタル格差に関する調査研究 参考資料− インタビュー概要−
・デジタル格差についての生活者の本音 行政サービスにおけるデジタル格差に関する調査研究 別冊
・デジタル格差についての解説記事
(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)