埼玉県ふじみ野市が防災情報共有システムを活用した初の訓練を実施

埼玉県ふじみ野市は、東日本電信電話株式会社 埼玉西支店(支店長:山崎 大二郎、以下「NTT東日本」)と連携し、防災情報共有システムの構築および災害対策業務のデジタル化に向けた取り組みを推進している。その一環として、2024年11月10日に実施された第13回ふじみ野市総合防災訓練において、NTT東日本の技術支援を受け、防災情報共有システムを活用した初の訓練を実施した。
背景・目的

近年、激甚化する災害により全国で大きな被害が相次いでおり、自治体における防災業務の煩雑化と迅速な対応の必要性が高まっている。従来の紙資料や手書き地図、音声通話による報告手段では、情報の共有や的確な意思決定に課題があった。
ふじみ野市は防災情報共有システムの導入により、迅速かつ的確な情報共有を可能にし、災害対応の効率化と精度向上を図る。NTT東日本は、インフラ事業者としての災害対応経験を活かし、ICT技術を活用した防災情報共有システムの構築および運用支援を担う。ネットワーク・機器・アプリケーションを統合的に整備し、システム活用を前提とした防災訓練のシナリオ作成や訓練支援を実施する。これはNTT東日本にとって埼玉県内で初の取り組みである。
さらに、NTT東日本はふじみ野市へのヒアリングを通じて「防災リスクアセスメント」を実施し、外部視点からリスクを定量的に分析。リスクの可視化や対策の優先順位付けを行い、地域の防災力強化を進めている。
実施概要
防災情報共有システム構築
防災ソリューション導入
- Web会議システム、電子作戦テーブル、6面マルチディスプレイ、電子黒板、タブレットの導入
- 画像や情報の双方向共有により、迅速で視覚的な情報伝達を実現

総合防災情報システム導入
- 気象情報、観測データ、現場の被害情報を集約し、リアルタイムで提供
防災訓練の技術的支援
訓練シナリオの作成
- 防災情報共有システムの操作習熟を目的とした訓練内容を策定
当日の運営支援
- 訓練時のシステム操作サポート
防災リスクアセスメントの実施

「災害対策本部の設置・運営」「地域住民との連携・防災教育」「要支援者への支援」「物資の調達・運搬」など、自治体の災害対応業務に関する15の主要プロセス・105項目を分析し、リスクの定量的可視化を行う。
ふじみ野市は、NTT東日本と協力し、災害対応のデジタル化と地域の防災力向上を推進していく。
(執筆:デジタル行政 編集部)