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三重県明和町、「子育てDX実証プロジェクト」をスタート[ニュース]

三重県明和町、「子育てDX実証プロジェクト」をスタート[ニュース]

三重県明和町は、デジタルネイティブである子育て世代を対象に、妊娠や出産など子育て関連のライフイベントに必要な行政手続きのデジタル完結を目指す「Beyond2040 三重県明和町 子育てDX 実証プロジェクト」を、10月30日より本格稼働した。

本事業では、住民が自宅にいながら手軽に行政手続きができるなど、「役場に行かないからラクラク!」・「待たなくていいからスムーズ!」・「書かなくていいからカンタン!」といった次世代役場を実現し、圧倒的な利便性の向上により行政手続きに関する子育て世代の負担を軽減。職員の業務も抜本的に変革していく。

プロジェクトの背景

子育て世代にとって、出生届の提出や保育施設の申請など、日常的に必要となる手続きは多岐にわたり、各手続きのために何度も窓口へ出向く必要がある。また、窓口の混雑や待ち時間に加え、限られた受付時間内で手続きを完了させる必要があるため、仕事や家事の合間を縫って対応しなければならないこともあり、行政手続きに関する負担の軽減が急務となっている。

これらの課題を解決するため、明和町では、総務省が推進する「自治体フロントヤード改革モデルプロジェクト」の一環として、デジタル申請や来庁予約システム等の仕組みを構築。デジタルを最大限に活用し、デジタル化可能な業務はデジタルに委ねることで、人と人とがふれあう「あったかいサポート」の充実を目指す。また、フロントヤード、バックヤード双方の改革を行うことで、効率化によって削減された時間を住民サービスに充てられるよう、庁舎内の横展開も見据えた実証を行う。

キャッチフレーズ

『みんなでつくる、あったかい未来』

ビジョンステートメント

新しい家族ができた人、育てる人、仕事と両立させたい人。
ライフイベントのさまざまなシーンで、ひとりひとりが、もっと快適に自分らしい時間を大事にすることができたら。
そんな思いから生まれた「三重県明和町 子育てDX」は、いつでも、どこでも、手軽に手続き・相談ができる新プロジェクト。
デジタルを生かしながら人と人とがつながりあうあったかいサポートをどんどん進化させていきます。明和町で暮らす人たちや役場で働く人たちも力をあわせて幸せがずっと続いていく、あったかい未来をみんなで一緒につくっていきたい。
それが私たちの願いです。

ソリューション

『役場に行かないからラクラク!』
① デジタルID(xID):本人確認・本人認証・電子署名を行う
② デジタルポスト(SmartPost):手続のタスク管理や、デジタルによる通知を行う
③ デジタルサービスポータル(手続きナビ):住民が自ら必要な手続や準備物等が分かるようにする
④ デジタルサービスツール(Logoフォーム):申請の電子化を可能とする
⑤ リモート窓口(窓):役場に行かなくても(最寄りのスポットで)相談・手続ができるようにする

『待たなくていいからスムーズ!』
⑥ 来庁予約システム(Frontdesk):住民の都合で任意の時間帯に予約が取れ、適切な担当による適切な対応を確実に提供できるようにする
⑦ 窓口滞留状況の計測(ABEJA):IoTセンサーを用いて、役場を訪れた住民の日時や受付窓口ごとの人数、滞在時間などを計測し、課題を分析する

『書かなくていいからカンタン!』
⑧ 窓口効率化システム(書かない窓口):住民が書類を記入しなくても申請が行えるようにする

全国初「子育てDXアンバサダー」を任命

三重県明和町では、「住民の皆さんと、みんなで一緒に新たなサービス、次世代役場をつくりたい!」という想いから、「子育てDXアンバサダー」を募集。本プロジェクトの本格始動にあわせて、10月30日には、三重明和インキュベーションセンターにおいて、本プロジェクトの取り組みを説明するとともに、「子育てDXアンバサダー 任命式」および、子育てDXのデモンストレーションを実施した。

明和町子育てDX アンバサダー任命式の様子
(アンバサダー:前列4名、下村町長:後列中央)

また、本事業では、子育てDXアンバサダーを中心に住民にも参画を促し、実際にサービスを体験してもらう中で、「住民の目線で見て、使いやすいものになっているか」を検証。それらの声を取り入れながら日々システム改善し、サービス向上を目指していく。

 アンバサダーとのユーザーテストの様子

下村由美子 明和町長 のコメント

この度、三重県明和町では、子育て世代の皆さまがより安心して、そして快適に子育てに取り組めるよう、「子育てDX実証プロジェクト」を始動いたしました。本プロジェクトは、デジタル技術を活用し、妊娠や出産など、子育てに関する行政手続きを、ご自宅などでデジタル完結できるものとなります。

デジタルネイティブである子育て世代の皆さまにとっては、スマートフォンなどのデジタル機器が生活の一部となっています。行政手続きも、より身近で、より使いやすい形で提供していくことが、これからの時代に求められています。

そこで、子育て世代の皆さまと町役場が、共に考え、共創していく、そんな新しい形の行政サービスの実現を目指していくために、「子育てDXアンバサダー」の委嘱をさせていただきました。

「子育てDXアンバサダー」の皆さまには、本プロジェクトについて住民の皆さまへ広く認知向上を図るほか、共に今後の明和町の未来を創っていくといった重要な役割を担っていただくことを期待しています。

君塚明宏 総務省 自治行政局 行政経営支援室 室長のコメント

田川陽子 総務省 自治行政局 行政経営支援室 係長(代読)

このたびの明和町における子育てDXの取組は、子育て世代を対象とした徹底したDXの取組により「行かなくてよい」「待たなくてよい」「書かなくてよい」窓口を実現するとともに、業務の効率化を図り、生み出された人的リソースをさらに住民サービス向上につなげることを目指す、これからの自治体が向かうべき先進的なモデルになるものと考えています。

総務省としましても、住民と行政の接点の多様化・充実化を図り、紙ではなくデータによる行政手続を進めることで住民利便性向上と業務効率化を図る「フロントヤード改革」を強力に進めているところです。現在、明和町も含めて12の自治体で人口規模別に先進的なモデルを構築する事業に取り組んでいます。今後とも、地域の実情を踏まえながら、このフロントヤード改革をはじめとした自治体DXの取組を全力で応援してまいります。

下村町長さんの強いリーダーシップの下、議会や三重県など関係者と連携しながら、住民の皆さんの協力を得て、明和町における子育てDXの取組が成功すること、その上で全国に取組の輪が広がっていくことを御祈念申し上げます。

中村純子 三重県 デジタル改革推進課 班長のコメント

プロジェクトの始動にあたり、頼もしい子育てDXアンバサダーの皆様が就任され、明和町の皆様も大変心強いことと思います。また、県内の市町の中でも、子育て分野から窓口改革を進めていくケースは、他にない取組であるため、今回の明和町の取組を他の市町にも展開したいと考えています。

今後も改革に取り組まれる明和町やアンバサダーの皆様とともに、県も一緒に走りながら応援していきたいと思います。

(執筆:デジタル行政 編集部)