自治体DX、官民先駆者たちが語る、生成AI利活用の現状と今後[インタビュー]

自治体DX、官民先駆者たちが語る、生成AI利活用の現状と今後[インタビュー]

都城市とシフトプラス株式会社が自治体向けとして共同開発し、これを全国に広めた功績が評価され、日本DX大賞を受賞した自治体専用生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo(ゼヴォ)」。

開発に携わった都城市役所総合政策部デジタル統括課 主幹の佐藤 泰格氏とシフトプラス株式会社 自治体プラットフォーム部 部長の杉谷 良氏のお二人に、開発秘話や導入に至るまでの苦労話、今後の生成AIの展望などを熱く語っていただいた。

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日本DX大賞を受賞した自治体専用生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo(ゼヴォ)」とは?

―お二人の自己紹介をお願いいたします。

杉谷氏:シフトプラス株式会社 取締役兼自治体プラットフォーム部 部長の杉谷 良です。都城市さんとはふるさと納税制度がはじまり、ふるさと納税管理システム「LedgHOME(レジホーム)」を導入していただいた時からお付き合いさせていただいております。今では、ふるさと納税以外のシステムの共同開発などもやらせていただいております。

佐藤氏:『デジタル行政』読者の方には、「改めまして」となりますが、都城市役所総合政策部デジタル統括課 主幹の佐藤 泰格です。都城市全体のデジタル化推進の統括業務を行っております。その他、総務省地域情報化アドバイザー等の各種アドバイザーとして、他の自治体のデジタル化の支援も行っています。シフトプラスさんとは、社長が飛び込み営業に来た10年近く前から一緒にお仕事させていただいておりまして、杉谷さんとは都城市がシフトプラスさんと包括協定を結んだ2019年からの付き合いですね。余談ですが、我々同い年です(笑)。

―シフトプラス様は、ふるさと納税システムの他、どのようなシステムを都城市に納品しているのでしょうか?

杉谷氏:子育て施設の利用者管理システムPRAMS(プラムス)や共同開発した自治体専用生成AIプラットフォーム「zevo(ゼヴォ)」などのシステムです。

佐藤氏:PRAMSは「zevo(ゼヴォ)」とは違い、市民の皆様が利用するシステムなのですが、操作性も良く評判は高いです。

杉谷氏:ありがとうございます(笑)。

佐藤氏:シフトプラスさんが作るシステムは、都城市のニーズをくみ取っていただいた非常に良いシステムであると感じています。自治体は、人口規模はもちろんのこと、地域性などの特色もありますから、1つのシステムがすべての自治体にフィットするわけではありません。シフトプラスさんのように、自治体に合わせてシステムを開発してくださるのは、ありがたいですね。

杉谷氏:会社としては、全自治体どこでも使えるという設計にはしております。ただそれですと、すでに導入されているシステムとの差別化が図れないので、優位性を確立するために各自治体のニーズに沿ってシステムを開発することに力を入れて行っています。

佐藤氏:競争分野でもあるんですよね。生成AIのように、新しい市場が立ち上がるという時には、最初にシステムを作った会社が勝ちということもありますが、後発の場合は、いかに個々の自治体に合わせたシステムを開発するか、従来のシステムにはない機能を付けられるかが大切だと思います。

杉谷氏:おっしゃる通り。なぜ都城市にこのシステムが必要なのか? ということを日々考えながら開発させていただいております。

―先ほどお話にも出てきました自治体専用生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo(ゼヴォ)」について教えてください。こちらは、どういった形で共同開発が始まったプロジェクトなのでしょうか?

佐藤氏:私がやりたいって言ったのに、最初はやってくれなかったんですよ。

杉谷氏:え!? そうでしたっけ?

佐藤氏:お忙しい時期でもあったと思いますが、しばらくほっとかれました(笑)。

杉谷氏:なにか……どこかで「やりたい」って立ち話をして、そこから始まったプロジェクトだった気がします(笑)。

佐藤氏:ChatGPTの利用者が1億人を突破したというニュースを見たあと杉谷さんに連絡したんです。「絶対に自治体でも活用できるから」と。その後、横須賀市さんがChatGPTの全庁的な活用実証を行って、全国的に話題になったら、杉谷さんから「生成AIバズってますね」って連絡がきました。

杉谷氏:それは失礼しました。もう記憶がないパターン(笑)。

佐藤氏:なので僕は「ほんとは全国でもいち早く生成AIやろうと思ってたんだよ」ってみんなに言っています(笑)。都城市長も生成AIについては、強い興味を持っていましたし。
ただ、自治体ではまだまだ活用もされていない現状があります。自治体の業務は、今どんどん増えていて現場は大変です。カーボンニュートラル、婚活、SNSの運用、空き家対策等の以前はなかった業務が増えていますし、新型コロナ対策、災害対策等の臨時的な業務も増えているように感じています。そんな中で、民間企業で業務効率化のために生成AIが使われているのであれば、やっぱり行政も生成AIを活用していかないといけないと考えています。

杉谷氏:一時は忘れていたかもしれませんが、佐藤さんの生成AIに対する熱意はずっと聞いておりました。なので、我々としても、自治体が生成AIをもっと安全に、もっと便利に使えるようなシステムを作りたいと思い、「都城市DXチャレンジプロジェクト」のコンペに参加し、採択されたことから共同開発がスタートしました。

―生成AIが出始めたころから、こういった業務に使えるかな? というイメージはお持ちでしたか?

佐藤氏:文章作成業務の効率化につながるイメージはパッと思いつきました。皆さんも想像できると思いますが、市役所って挨拶文を考えたり、情報発信の文章を考えたりと、文章を作る仕事が非常に多いんです。なので、この作業が軽減できるのであれば、非常に役に立つソリューションになるのではないかと、期待をしておりました。
この中で、横須賀市さんが、しっかりと生成AIを自治体が使うための道筋を切り開いてくれたというのはすごいと思っています。先駆者として大変な思いもされたのではないかと思っており、色々な場で意見交換もさせて頂いています。

生成AIをまずは使ってもらえるルール作りを考える

―「自治体AI zevo(ゼヴォ)」の特徴を教えてください。

佐藤氏:一番の特徴は、自治体専用回線である総合行政ネットワーク(Local Government Wide Area Network)、いわゆるLGWAN(*1)環境で生成AIが使えるという点です。

杉谷氏:弊社は生成AIの開発は行っていなかったのですが、LGWAN環境でシステムを運用する実績はあります。「zevo(ゼヴォ)」を使えば、高度なセキュリティに守られているLGWAN環境で、情報漏洩の心配もなく生成AIを使うことができます。

(*1)地方公共団体の組織内ネットワークを相互に接続し、地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化、情報の共有による情報の高度利用を図ることを目的とする、高度なセキュリティを維持した行政専用のネットワーク。

―「自治体AI zevo(ゼヴォ)」の開発期間を教えてください。

杉谷氏:「都城市DXチャレンジプロジェクト」に採択頂き、6月末には一度、都城市様にご利用いただいたので、2カ月ぐらいですね。

―実証から実装へは、どのようなプロセスを踏んだのでしょうか?

佐藤氏:シフトプラスさんに「都城市DXチャレンジプロジェクト」に応募してもらい、我々が採択し、2023年度は1年かけて実証したというイメージです。
実際には、1年かけて実装に近い形で使わせていただき、「zevo(ゼヴォ)」は職員からの評判も良かったことから、議会に予算を提案したうえで次年度継続が決定しました。

―導入するにあたって、気をつけたことはありますか?

佐藤氏:今では、課ごとにアカウントを発行し、課の9割以上がアカウントを持っています。気をつけたことと言えば、最初は“あえて”使わせなかったってことですかね。

杉谷氏:最初はChatGPT3.5でしたからね。

佐藤氏:ChatGPT3.5って性能は高くないエンジンでして、これをそのまま、職員全員が使うと生成AIにマイナスイメージがついてしまう可能性がありました。なので、最初は「使いたかったら使ってね」と言ったニュアンスのスモールスタートで始めました。
というのも、ChatGPT4は性能が大幅に向上するという話を聞いていましたので、職員に大々的に使用してもらうのは、ChatGPT4が使えるようになるまで待ってもらうべきだと考えました。
そして、ChatGPT4が使えるようになったタイミングで庁内の掲示板に「ChatGPT4がデジタル統括課長の能力を超えました」と、掲載しまして(笑)。そこから全庁的に「zevo(ゼヴォ)」利用の広報を始めました。

―生成AIのような先端技術は、導入前も導入後も反発が多いと聞きます。その辺りお二人の観点で、他の自治体にアドバイスはありますか?

佐藤氏:先端技術の導入に関する反発は、自治体も民間でもありますよね。

杉谷氏:特に自治体の場合、担当課が頑張って導入したけども職員が思ったより使ってくれないことに悩むパターンが多いと思います。先端技術に苦手意識を持っている方は、最初から使うことをためらってしまうし、興味がある方も次第に使わなくなってしまうなど。生成AIに関しては、とにかく使ってもらわないと良さもわからないので、そのあたり、どうしたら職員が使ってくれるのか? ということに、頭を抱えている自治体の話はよく聞きます。

佐藤氏:そうですね。都城市でも、使う課、使わない課というよりは、使う人、使わない人が同じグループの中で混在しているイメージです。なので、個人的には「便利だから絶対使って!」と、押し付けるのではなく、便利さを実感してもらい、使うこと根付かせる、浸透させる取り組みが大切かなと思います。
ワークショップ形式の研修を企画する等、実際に生成AIに触れてもらい、自分の業務にどう生かせるかを、想像してもらうための取り組みが必要になってくると思います。

杉谷氏:まずは使ってもらうことが一番大切ですね。

佐藤氏:使ってもらえれば、必ず利便性は実感できると思いますしね。都城市では「デジタル関連の市長報告等の文書はまず生成AIに確認してもらってから、デジタル統括課に確認を依頼する」というルールを作っています。そういったルール化も、根付かせる、浸透させる取り組みとして必要だと思います。

―ルール化という意味では、総務省やデジタル庁が生成AIに関するガイドライン等を作成していますね。

佐藤氏:生成AIの分野は、なんといいましょうか……使っている我々も試されているというか、生成AIをオモチャではなく、しっかり業務に活かしていくマインドと、創意工夫が問われていると思います。それは、国が「こう使ってください」というガイドラインを制定するよりも、実際に使っている我々地方自治体が、しっかり使い方を考えていく必要があると思います。
自治体ごとに仕事は違います。そのため生成AIの使い方も変わってくると思います。だからこそ、使う我々自治体自らが生成AIを業務に活かすためのガイドライン等を作成していくことが重要になってくると思います。

「自治体AI zevo(ゼヴォ)」の利用自治体数と自治体職員から見た今後の生成AIの利活用・展望とは?

―共同開発した「自治体AI zevo(ゼヴォ)」のトライアルを行っている自治体の数と、プロモーション方法を教えてください。

杉谷氏:今は300ほどの自治体に活用してもらっています。

佐藤氏:プロモーションという意味では、自治体環境で生成AIが使えるプラットフォームとしては全国初ということで、さまざまな自治体からご注目をいただきました。

杉谷氏:まずは、無償でトライアルができるということを、PR TIMESさんに出させていただきました。「(自治体専用AIが)できました」ではなく「(自治体専用AIを)やります!」というプレスリリースを出させていただきましたので、その段階で注目してくださった自治体も複数ありました。
6月末に都城市さんに利用していただき、そのあとすぐ横展開させていただけるということでしたので、7月頭からトライアルの応募を開始させていただきました。

―今、実際に予算がおりて、本格導入している自治体の数を教えてください。

杉谷氏:広域自治体を含む約60自治体に導入させていただいております。(60は取材日時点の自治体数)

―実際に使われている自治体からの反響やなにかフィードバックはありましたか?

杉谷氏:トライアルの時は、庁内全体で多くご利用いただいたのですが、いざ契約して導入したあとは、どうしても使用頻度が下がってしまって、導入を決めた担当部署が困っているという自治体もありました。そこで、我々としても使い方のレクチャーや説明会を開いて、「zevo(ゼヴォ)」を業務に落とし込むお手伝いをさせていただきましたが、自治体ごとに使用する分野が違うため、なかなか全体サポートするのは難しいと感じています。しかし、都城市さんの取組等を踏まえてワークショップなども開催することで少しずつサポートをさせていただいています。

やはり、実際に使っていただく現場の方々が「こういう風に使える」というのを感じていただけるのが大事なのですが、その部分は、試行錯誤しながらこちらでも対応しています。

佐藤氏:私もアドバイザー制度の中で、ワークショップ形式の研修を実施する等の支援を行いながら、さまざまな自治体にお話ししていますけど、しっかりと生成AIを自分で手を動かして、いろいろな使い方があることを知っていただくことが大切だと思っています。 ただ挨拶文を作るのではなく、キャッチコピーも作れるし、文章校正、アンケート集計、プログラミングだってできるっていう、成功体験を知っていただくのが必要です。もし質問に、生成AIが上手に答えてくれない場合も、それは質問のやり方が悪いと認識することが大切だと思います。この辺りは、実生活で、上司の指示が適切か否かで成果物のクオリティに違いが出るのと全く同じですね(笑)。

―自治体に提案する際に、最初に「自治体AI zevo(ゼヴォ)」の話をする先は、DXを推進する部門なのでしょうか?

杉谷氏:そうですね。自治体によって呼び方は変わりますが、基本は、DX推進課、情報システム課などにお話しさせていただいております。
ただ、自治体の規模によっては、そういった課がない場合もありますし、そもそも生成AIの導入を考えていないというところもまだまだ多い現状はあります。

佐藤氏:これはDX全般の話ですが、DX関連は導入が一番大変なので、なかなか腰が上がらない自治体も多いと思います。導入するのも大変、職員の方々に使っていただく、慣れていただくのが大変というのは、大きなハードルだと思います。
ただ、私の肌感としては、生成AIが自治体でも徐々に浸透してきているという実感はあります。
なお、「zevo(ゼヴォ)」はChatGPTにこだわらない点も強みです。生成AIは競争分野であり、様々な生成AIが凌ぎを削っています。そのため、「zevo(ゼヴォ)」は、最先端の生成AIをキャッチアップしていくこととしています。最近では、Claudeを実証的に活用していますが、精度の高さに驚かされました。私がいくら自己研鑽しても能力が2倍になることはありませんが、生成AIは数年で2倍、3倍と性能がアップしていくのではないでしょうか。

杉谷氏:最先端の生成AIを使えるようにする一方で、安いAIモデルを使いたいとの要望もあるため、利用できるAIモデルを管理者が選択できるようにしています。将来的には、この活用分野だとこのAIモデルといったように、モデルの強み等を踏まえた使い分けが出てくる可能性もあるかもしれません。モデル選択の自由度の高さが、「zevo(ゼヴォ)」の魅力でもあります。

―今後生成AIは、自治体でどのように利活用されていくでしょうか?

杉谷氏:生成AIそのものは、すでにいろいろな自治体で使われ始めています。また、最近はその中でも「RAG(*2)」機能に注目されている感じがします。自治体はインターネット検索では出てこないいろいろなデータをお持ちですから、それを検索する仕組みと生成AIを組み合わせることで、より便利に利活用されようと考えている自治体は非常に増えています。

佐藤氏:都城市でも「RAG」機能は使用していますが、まだまだ改善していかないといけない部分はあると思います。膨大なマニュアルを学習させれば、その都度マニュアルのページをめくる必要がなくなるというのは非常に便利ですが、ただそれだけですと、いわゆるAIチャットボットと変わらなくなってしまいます。生成AIに過去の仕様書を学習させれば、似たような事例が出た場合、参考になる仕様書は作ってくれます。しかし、まったく新しい仕様書を制作するという場合はデータがないため思ったほどの成果は上がりません。
また、制度が変わって今までのマニュアルが使えなくなってしまうのも行政仕事の特徴ではあるので、多くのマニュアルを読み込ませれば読み込ませるほど、常に最新の情報をどう生成AIに漏れなく学習させるかというのは、課題となってきます。

(*2)Retrieval-Augmented Generationの略。生成AIに外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術のこと。

―お二人が考える生成AIの今後の展望を教えてください。

杉谷氏:今は生成AIブームで、興味を持ってくださる自治体が非常に多いですが、あと数年もすれば生成AIそのものがどこの自治体でも利用されて当然、一般的になっていると思います。どんな業務でも生成AIがサポートしてくれる時代は近いと思っています。

佐藤氏:私は、生成AIには2つの方向性があると考えています。
1つは音声対応です。生成AIに「挨拶文を作って」と口頭で言って、文章を作ってもらい、さらにその修正指示を口頭でするみたいな。まるで人と人とのやり取りを、生成AIと行う可能性もあると思っており、都城市でも「zevo(ゼヴォ)」とは別のベクトルで取組を始めています。
2つ目は、内部データの分析や事務作業の裏側に生成AIが待機していて、常にミスがないか確認、間違っていたら修正までしてくれるという、行政内部で仕事をするパターンです。業務上、いろいろなツールを使って仕事をしていますので、そのすべての裏側に生成AIが入って働くという未来もあると考えています。いわゆる生成AIを意識せずに使っている形です。こちらについては、都城市で活用している行政内部のデータを匿名化し分析するBIツールとの連携を検討中です。非常に多くのデータを持っていますので、ロジックツリーの作成及び課題に対応するグラフの提案、分析等が行えないか、BIツールの企業とも連携しながら、議論を進めています。

―どんどん次のステップを考えていますね。

佐藤氏:そういう模索は大切だと考えています。「RAG」機能にしても、都城市の場合、まず随意契約の理由作成について、過去事例やマニュアルを学習させたのですが、1個1個の案件が違うため、なかなかうまく生成AIが回答できませんでした。ただ、財務・会計事務のの複数のマニュアルを1個にまとめるという作業では大活躍してくれました。
こういったトライ&エラーの繰り返しも大事なことだと思います。

杉谷氏:そこまで、いわゆる所管部署の方が考えてくださると私たちとしても非常に話が早くて楽なんですけどね(笑)。

佐藤氏:ありがとうございます(笑)。先ほどのマニュアルの話の続きですが、マニュアルを生成AIに学習させていくと、マニュアルの書き方そのものが悪いというのも、生成AIがうまく機能しない理由の1つだとわかってきます。生成AIが理解できないマニュアルは人間だって理解できないよねとの観点でして、そこはマニュアルを変えていくという作業を人間がサポートしないといけません。
そういう意味では、生成AIを活用しても、最後は人間がしっかりしないといけない。生成AI活用においても、人間が重要だということに帰結しますね。

杉谷氏:「zevo(ゼヴォ)」では、佐藤さんが作られたプロンプト(*3)を各自治体の方が利用できる機能も搭載しています。他の自治体の成功体験を共有して使用できる機能があれば、より使いやすくなると考えています。佐藤さんのプロンプトはテンプレート化もしていますので、ぜひご活用ください(笑)。

また、今、「zevo(ゼヴォ)」を利用していただくと、本来別サービスのLGWAN対応のビジネスチャット「LGTalk(エルジートーク)」が付帯サービスとして利用可能で、職員数分のライセンスを無償で利用可能です。なので、別のビジネスチャットを導入していて、生成AIにも興味があるという自治体は、「zevo(ゼヴォ)を利用していただければ、生成AIとビジネスチャットの両方を使用することができるようになりますので、トータルで見るとかなりコストカットができます。

佐藤氏:私たちも「zevo(ゼヴォ)」と「LGTalk(エルジートーク)」を利用して、非常にコストカットできています。「LGTalk(エルジートーク)がないと仕事が回らない」という声も庁内からは聞こえてきますので、ぜひ使ってほしいですね!

杉谷氏:最後、弊社シフトプラスは、2023年12月に本店を、大阪から都城市に移転させていただきました。その理由は、やはり都城市さんの取り組みは、非常にチャレンジングな取り組みで、包括協定を結んでいる我々としても、ぜひ一緒にいろいろな取り組みをお手伝いさせていただきたいと思い、本店機能を移転させました。システム構築のみならず、都城市さんと連携して、地元学生向けのプログラミング講座や、高齢者向けのデジタル活用支援を実施する等、地域と共に歩んでいく活動も行っています。今後も都城市さんと一緒にさまざまな取り組みをしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

(*3)AIに対して利用者が入力する指示や質問のこと。