神戸市、民間救急・福祉タクシー予約を担う「mairuシステム」を本格展開[ニュース]

神戸市、民間救急・福祉タクシー予約を担う「mairuシステム」を本格展開[ニュース]

神戸市は、民間救急と福祉タクシーの予約を円滑に行う「mairuシステム」について、4月からの本格展開に向けて開発会社のmairu techと連携を行う。本取り組みは、2023年の10月から11月にかけて行われた試験運用を受けてのものだ。

取り組みの背景

神戸市消防局は34台の救急車を稼働させ、約6分に1回の割合で出動している。だが、緊急度が低く軽症な方の利用が40%を超える状況だ。高齢化によって救急車の出動件数はさらに増える見込みで、救急車の適正利用が求められる。

神戸市はこの状況を改善するため、2023年の地域課題解決プロジェクトの一環として、民間救急・福祉タクシーの予約システム「mairuシステム」の試験運用を行った。緊急性のない、もしくは低緊急の搬送について民間搬送事業者の活用を推進する狙いだ。

「mairuシステム」は、利用者の細かい条件に合った事業者が提案され、短時間で予約完了できる。2023年の試験運用では成約率が80%を超えたほか、過半数の事例において1分以内での予約を実現した。

神戸市では試験運用の結果を受け、2024年4月からの「mairuシステム」の本格展開に向けた連携をmairu techと行う。

今後の展開

試験運用の際に明らかになった課題として、医療に対応できる民間搬送事業者の不足が挙げられる。システムによって民間搬送事業者の利用を円滑にするだけでなく、搬送事業そのものの展開が必要となる。

神戸市とmairu techは、高度な医療福祉搬送サービス「mairuモビリティ」を「mairuシステム」と同時に展開する予定だ。高い搬送技術と医療資格を持ったクルーによる医療搬送サービスを実現することで、医療モビリティのインフラ構築を目指していく。

(執筆:デジタル行政 編集部)