兵庫県養父市、マイナンバーカードを使い市民向けサービス創出の取り組みを開始[ニュース]

兵庫県養父市、マイナンバーカードを使い市民向けサービス創出の取り組みを開始[ニュース]

兵庫県養父市は、株式会社日立製作所とともに「マイナンバーカードデジタルパスポート化事業」を展開する。本事業は中山間地域の高齢化・過疎化などの課題解決に向けた取り組みだ。

事業の背景と目的

養父市は中山間地域に属しており、集落が広い地域に点在している。そのため、移動や生活面を支え合う基盤が弱いことをはじめ、さまざまな課題がある。

中山間地域が抱える課題を解決するため、養父市は2022年度、日立とともにサービス間のデータを連携するための「データ連携基盤」を構築した。さらに2023年5月からは、市役所から遠い地域住民の利便性を図る「遠隔行政窓口」のサービスを実施している。

また、養父市はマイナンバーカード保有率の高いことで知られている。今回の取り組みではこの特徴を生かし、マイナンバーカードを利用して市のサービスを円滑に受けられるような仕組みづくりを目指す。

事業の概要

養父市は日立とともに構築した「パーソナルデータ連携基盤」を活用して、マイナンバーカードや「やっぷるカード」を用いた市民向けサービスを創出する。

「データ連携基盤」では、市の個人情報管理を管理するサーバーからパーソナルデータだけを取り出し、サービス間で連携ができる。地域間・企業間に関わらず、さまざまな分野同士のデータ接続が可能だ。

養父市は「データ連携基盤」を活用した最初の取り組みとして、オンライン投票選挙と避難所管理システムの実施を目指す。

オンライン投票選挙では、マイナンバーカードの個人認証できる機能を使い、市民は自宅でスマートフォンやパソコンから、期日前投票宣言・期日前投票ができる仕組みを開発する。

避難所管理システムは、避難所名簿や避難所への入隊管理のデジタル化を目的とする。システム上で避難マップ・避難所の混雑状況などの公開も可能だ。利用者は、世帯を事前に登録すると、親族の避難情報を確認できる。また、混雑状況に応じて市民を誘導できるようになるため、避難所利用の円滑化実現が期待される。

(執筆:デジタル行政 編集部)