群馬県前橋市、水道局が民間企業の水道管漏水リスク管理システムを導入[ニュース]

群馬県前橋市、水道局が民間企業の水道管漏水リスク管理システムを導入[ニュース]

群馬県前橋市の水道局は、JAXA公認の民間企業である株式会社天地人が提供する、水道管漏水リスクの管理システム「天地人コンパス 宇宙水道局」を導入する。

「天地人コンパス 宇宙水道局」の概要

「天地人コンパス 宇宙水道局」とは、複数の人工衛星が観測したデータやオープンデータを活用し、約100m四方の範囲内で水道管漏水リスクの可能性がある区域を5段階で評価するクラウド型のシステムだ。データ採取に使用する人工衛星は世界各国の500機以上に上る。データを集めて、気候変動の影響も踏まえた上での水道管漏水リスクを自治体ごとにまとめることが可能だ。

漏水リスクの評価はAIによって行う。人工衛星から得たデータだけでなく、オープンデータや腐食・漏水発生状況を踏まえた上で、リスクを地図上に色分けして表示する。また、リスクの評価を確認できるだけでなく漏水調査結果も確認できるため、より効率的な水道管管理につながる。

水道インフラが抱える課題

全国の上水道では、老朽化に伴う水道管漏水が昨今相次いでいる。現在、国内の水道管の2割ほどにあたる約140,000kmの管路が、法定耐久年数とされる40年を超えている。さらに2015年度に厚生労働省が行った発表によると、2045年には5割を超える水道管が法定耐久年数を超える見込みだ。

管路更新率は、人口減少や少子高齢化の影響もあって年々低下傾向だ。このままの更新率ですべての経年管を維持・修繕するには、莫大な予算と130年程度の時間がかかると試算されている。

「天地人コンパス 宇宙水道局」を利用することで、効率よく漏水の危険性が高いとされるところから管路更新でき、安全な市民生活を提供することが期待される。

参考:厚生労働省 医薬・生活衛生局 水道課「最近の水道行政の動向について

(執筆:デジタル行政 編集部)