東京都三鷹市、部活動時の暑熱対策に「カナリア」を活用した検証を実施[ニュース]
近年、猛暑での熱中症リスクが高くなっており、対策が重要視されている。東京都三鷹市は、適温畜冷材と熱中症対策ウォッチ「カナリア」を使った暑熱対策プロジェクトの実施を決定した。
部活動中の暑熱対策検証の概要
三鷹市は、シャープと共同して適温畜冷材とBiodata Bankの「熱中症対策ウォッチ カナリア」を使い、暑熱対策の検証を実施する。対象の部活に所属する生徒が検証に参加。また、三鷹市立中学校の生徒もプレクーリングを体験する内容だ。
実験では、生徒が「カナリア」を装着し、部活開始前に手のひらを適温畜冷材で冷やしてから、部活動に参加する。プレクーリングの効果的な運用と、リスクを検知した際の適切な休憩設定などの検証が目的だ。部活動後にカナリアを回収し、データを抽出・解析。部活動ごとに総合的な分析をする。
シャープが開発した適温畜冷材の概要
手のひらにはAVA血管という、体温を調整する特殊な血管がある。手のひらを冷やせばAVA血管を通る血液も冷やされて体内をめぐるため、深部体温の上昇を抑えられる。これをプレクーリングという。
暑熱対策の検証で使用される適温畜冷材は、シャープが開発した畜冷材を使ったものだ。水を主成分とした畜冷材だが「-24℃~+28℃」の間で特定の温度を一定時間保てる。
熱中対策ウォッチ「カナリア」の概要
「カナリア」とは、暑熱リスクを検知できる、リストバンド型ウェアデバイスのことだ。深部体温の上昇・変化を感知して知らせてくれるため、熱中症を発症する前に休憩や水分補給などの対策ができる。
1度電源を入れるとワンシーズン使用可能で、回収時にデータの抽出・分析ができる仕組みだ。
(執筆:デジタル行政 編集部)