岩手県大槌町、高精度ARを活用した震災伝承アプリを公開[ニュース]
岩手県大槌町は、大槌町の被災建築物をCGで再現しARとして表示する「大槌町震災伝承ARアプリ」を、凸版印刷株式会社と協力して開発した。この取り組みは、東日本大震災における津波の甚大な被害を、後の世代に伝えていくことが目的だ。
2023年5月19日からは、町内2か所の被災地で、再現された被災建築物を公開している。
開発の経緯
大槌町は、2011年3月11日に発生し、大きな被害をもたらした東日本大震災津波の記録を正確に残し、「防災文化」として伝承する必要があると考えている。また、将来起こると予想されている南海トラフ大地震へ備えるために、防災への認識を深める側面もある。
これらの取り組みを背景として、大槌町が保管する被災状況の資料と凸版印刷のCG技術を利用し、現地訪問者が当時の状況を体感できるARアプリを開発した。
アプリ概要
アプリによって表示できるARは、大槌町内の旧役場庁舎跡地と旧民宿あかぶ跡地だ。
現在は解体済みの被災建築物を、震災当時の姿で再現している。
ARの表示方法は、現地でスマートフォンからアプリを立ち上げカメラで周囲を映すことで、当時の状況を体験できる仕組みだ。また、津波の浸水高を表示することも可能で、震災当時の状況を体感させることで危機意識の向上を図る。
(執筆:デジタル行政 編集部)