【京都府京都市】デジタルを活用した学校教育のデータ収集・分析[先進事例]
背景
京都市では、児童生徒の「多面的に物事を考える力」を培うため、「協働学習(話し合い学習)」を重視している。学校現場からは「話し合いの途中経過(学びのプロセス)を把握したい」というニーズがあるため、AIを活用し、教師と児童・生徒の発話状況の可視化に取り組んでいる。
発話状況の可視化とは、AIを使って会話をコントロールし、聞き手になりがちな人に話すチャンスを与え、発話の多い人には他者とのバランスを考慮しながら会話してもらえるようにすること。
詳細
京都市では、京都市教育委員会、NEC(株)、京都大学の3者によってモデル校で実証を開始し、令和元年度から3年間、取組を進めている。
授業改善や子どもの学習意欲の向上を目指し
・「協働学習支援システム」によるグループ活動の発話内容の可視化
・「グループ編成システム」による協働学習の事前支援
の 検証を進めている。
更に、市立全小中学校に導入したデジタルドリル、授業支援ソフトのスタディログもあわせて分析することでより多面的に学びを可視化し、教員や児童生徒への成果のフィードバックを目指している。
今後導入を検討する学校へひとこと
システムの活用を目的とするのではなく、授業のねらいを明確にし、児童生徒の資質、能力の向上を意識することが大切。試行錯誤を重ね、学校の特色を生かしながら進めていただきたい。
【参考情報①】
人口:140.1万人
【参考情報②】
新時代の学びにおける先端技術導入実証研究事業 (文部科学省)とは
URL:
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00932. html
令和3年度事業費 12,994千円 (うち、文部科学省「学校における先端技術の効果的な活用に関する実証事業」 12,994千円)
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)