【島根県松江市】VRによる高齢者等への文化財の擬似体験機会の提供[先進事例]
松江市は、市の文化財に関するICT技術の活用について、令和3年3月に同志社大学と協定を締結した。市はこの協定に基づき、松江城天守をVRで再現し、疑似体験を可能にする取り組みを行っている。
概要
松江城天守は国宝であるため、エレベーターやスロープなど移動の補助になるものを設置できないことから、高齢者や体の不自由な人が天守に登れないという課題があった。また、ICT技術を導入するにあたってまずは国宝の松江城天守で活用しようと考え、課題であった天守の登閣が困難な人々に向けたVR疑似体験が考案された。今回開発されたVRでは、松江城の天守に登る疑似体験が可能になる。松江市は、VR体験ソフトが完成した際には、松江歴史館をはじめとした市内のバリアフリー対応施設内に設置する予定だ。これによって、訪問できない多くの人々にも文化財に触れられる機会を提供することを目指している。
今後の取り組み
今回の事例は、エレベーターやスロープの設置などバリアフリー環境の整備が難しい文化財において、 ICT技術の活用が文化財の魅力を伝える有効な手段となることの一例である。松江市では、令和4年の夏から松江城天守VRの試行運用を開始することを目指して準備を進めている。
【参考情報】
人口:20.1万人
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
総務省「自治体DXの推進」:
https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)