【三重県】AIを活用した養殖魚に対する給餌自動化技術を開発[先進事例]
三重県では、AIを活用して、養殖魚に対する給餌自動化技術を開発した。
養殖魚に対する給餌自動化技術とは?
三重県は、養殖魚における飼育技術の一般化と効率化を図るために、AIを活用した餌やり自動化技術を開発した。一般的な自動給餌器はタイマー式で、定時に一定量を給餌する形のものである。一方で三重県が開発したシステムは、養殖魚の給餌・遊泳行動パターンを解析し、AIが魚の状態に応じて給餌するという仕組みだ。これは鳥羽商船高等専門学校と地域の製造メーカーと協力して開発に取り組んだ。
取り組みの経緯
三重県の南部は、魚類養殖業が重要な産業である。しかし、少子高齢化や人口減少に伴う人口不足、個人経営体が多いことによる競争率低下によって廃業が進んでいた。また、養殖業は初心者が行うには難しい職人技であり、新規就業者の確保も難しい状況であった。
生産者の経験に大きく依存してしまう事業であることから、問題を解決するためには新規就業のハードルを下げる必要があった。そこで、魚類養殖業における飼育技術の一般化と効率化を図るために、AI技術を活用した支援を開始したのである。
事業の近況
三重県は令和3年度に実施した実証試験で、餌の費用が10%削減でき給餌作業の省力化が実現した。今後は開発したシステムをさらに改良し、普及を図る予定でいる。
【参考情報】
人口:180.1万人
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
総務省「自治体DXの推進」: https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)