【福島県】AIを活用した福島牛の品質向上の取組 [先進事例]
福島県は、福島牛の品質向上のためにAIで牛の肉質を診断するシステムを開発した。
牛の肉質をAIで診断するシステムとは?
「福島イノベーション・コースト構想」の下開発されたシステムである。「福島牛」のブランド力を強化するために、帯広畜産大学や関係機関と連携し開発された。具体的には、まず飼育中の牛の超音波画像と、畜後の枝肉を撮影した画像をAIに学習させる。次にそのデータを使って、成長途中の牛の画像データから将来の枝肉の横断面を推定する。これによって飼育効率や畜舎回転率を向上させる仕組みだ。
システム活用の目的
福島県は、システムを活用し飼育コストの削減や良質な牛を揃えることで、ブランド力の強化を図ることが狙いだ。また、原発事故で受けた風評被害を克服し、生産者を支援する目的がある。
取り組みの経緯
福島牛の現状は原発事故による風評被害のために、県産和牛肉は全国平均よりも1割安く取引されている。ブランド力を回復させるために、斉一性の高い優良な牛肉を定時定量で出荷する必要があった。福島県は、この課題解決のためにAIシステム導入を開始した。
事業の近況
福島県は、開発に協力してもらった農家とともにシステムの実証を実施している。また推定精度を向上させるために、地域の農林事務所や家畜保険衛生所などの関係機関が連携し、畜前のデータを収集している。
【参考情報】
人口:186.3万人
関連URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/37202a/ushi.html(県HP)
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
総務省「自治体DXの推進」: https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)