品川区、戸籍専門書籍のAI検索サービスを利用開始[ニュース]
品川区は8月26日、戸籍関連書籍の最大手出版社である日本加除出版株式会社(豊島区)の専門書籍を中心に370冊を電子データ化し、AIにより速やかに幅広く検索できるサービスの利用を開始した。
日本加除出版の電子書籍をAIで検索する仕組みは全国で初めてとのことだ。
同サービスは戸籍事務における業務効率化・正確性の向上と顧客の待ち時間短縮を目指し、品川区と富士通Japan株式会社が共同で実施した「電子書籍AI検索システムを活用した実証実験」を経て、導入する。実証実験では戸籍届書の審査等に係る調査時間を約半分の時間に短縮できる効果が認められたとのことだ。
今回導入したサービスでは、文章による検索を行うことができ、さらに同義語・類義語の読み替え検索にも対応しているため、従来の単語のみの検索に比べ、ヒット率が格段に向上した。そのため、区民からの届出に対し、その審査・判断の根拠となる文献データの検索時間を大幅に短縮することができ、その時間を区民サービスの向上につなげることに期待できるという。
戸籍事務は関係法令が多く、自治体業務の中でも極めて専門性が高い分野。特に複雑な窓口事例においては、ベテラン職員であっても根拠資料の調査・判断に相当な時間を要する。さらに、多様な住民ニーズへの対応力を高めるために一定周期で人事異動を行う関係上、経験年数の浅い担当職員も多く、知識習得や審査事務の効率化が全国的な課題となっている。
(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)