笠岡市、「第1回日経自治体DXアワード」の『行政業務/サービス変革部門 』で部門賞を受賞[ニュース]
岡山県笠岡市は、予てより取り組んでいた移住促進や関係人口創出を目的としたVR施策が、「第1回日経 自治体DXアワード」の『行政業務/サービス変革部門』で部門賞を受賞した。
行政業務/サービス変革部門は、AIやRPA導入によるBPR推進の取り組みやその効果、またマイナンバー等をはじめ、行政サービスのオンライン化、及びその利用が進んでいる取り組みが表彰される。
「日経 DX自治体アワード」は先進的なDXの取り組みを行う全国の自治体を対象にタイトルを贈り、その取り組みを広く周知することで社会全体のDXリテラシーレベルの向上と、日本の産業力強化に寄与することを目指すもの。記念すべき第1回には、DX推進を行う全国の地方自治体の中から5部門で14自治体が受賞している。
笠岡市では、移住促進や関係人口創出のため、コロナ禍で往来が難しい中でも町の魅力を県外の方に知ってもらうため、VRを積極的に活用した政策推進を行っている。今年度は、特産品と空き家の情報発信にVRを取り入れた新しい形のプロモーション活動を行った。
1.特産品PR活動におけるVR活用
笠岡産シャインマスカットや牡蠣を参加者へ届け、VR空間内で生産者と交流できる自治体初のVRイベントを開催した。イベントはYahoo! JAPANが運営するオープンコラボレーションハブ「LODGE」と協働で行い、笠岡の島を模したVR空間を制作。「360度画像による現地疑似体験」やアバターを通して直接農家から生産のこだわりを聞くなど、笠岡市に行ったかのような雰囲気を感じられるコンテンツを提供した。その結果、市のふるさと納税におけるシャインマスカットの申込件数が増加するなどの成果が見られた。
2.市内の空き家対策におけるVR活用
笠岡市では、移住希望者向けに「空き家バンク」を整備し空き家のマッチングを行っていたが、コロナ禍で都市部からの移住相談は増えたものの、実際に笠岡市へ足を運ぶことができないために、内覧を諦めるケースが相次いでいた。そこで遠方からでもweb上で空き家を360度リアルに確認できるVRクラウドスペースリーを導入。すぐに問い合わせ件数が増加し、導入から4か月でVR内覧可能物件48件中2件が契約済み、9件が契約間近となっている。
笠岡市空き家バンクHP: http://www.city.kasaoka.okayama.jp/site/teijyuu/39982.html
(執筆:デジタル行政 編集部 和泉 理子)