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【ドローン社会実装への取り組み】広島県神石高原町にてドローンフィールドを開設 [ニュース]

【ドローン社会実装への取り組み】広島県神石高原町にてドローンフィールドを開設 [ニュース]

広島県神石高原町では、令和4年度より、ドローン(無人航空機)フィールドを開設する。開設に先駆けて、今年度は数社のドローン事業者へ先行的にフィールドを開放し、ドローンの実証実験を実施した。

広島県神石高原町では、令和元年度よりドローンの社会実装及び、活用の推進を目指してドローンコンソーシアムを立ち上げるとともに、町民を主体とするドローンを活用した災害対応の取り組みを進めている。今年度はドローン利活用事業のさらなる促進を目指して、町内の広大かつ山間部の起伏に富んだ土地を利用したドローン事業者向けのドローンフィールド(飛行訓練や、新しい機能、機体、サービス開発のための実証場所)の開設に向けて準備を進めている。

神石高原町のフィールドをドローンの事業者に広く活用してもらうことで、新しいドローンソリューションを実証実験やコンセプトだけで終わらせてしまうのではなく、社会への実装支援を行い、人々の暮らし、生活に価値のあるドローンの活用を応援、推進することを目指している、という。

●ドローンフィールド設立の背景

近年ドローンの開発が国内外の会社で進む中、法規制の観点より、都市部では飛ばせるフィールドが制限されている。本町では、町の7割が森林地帯であり、標高差のある地形など中山間地ならではの特色もあることから、都市部にはない地形を活かしたドローンの実証等が可能。かつ、山の地形だけでなく寒冷地域の特性も有している。

今後、点検・物流・災害対応・調査等様々な用途でのドローン利活用が進むと想定されるが、社会実装に至るまでには、様々な実証が必要であり、その場所の確保が重要となってきている。

●今年度実施した実験の内容

今年度は試験的にドローンフィールドの運用を行い、数社が神石高原町のフィールドを使用して実証実験実施。実施に関しては、神石高原町が各社の検証内容に合わせて飛行場所を柔軟に設定した。

①1,000m高高度、水平飛行の電波通信性能検証:センチュリー株式会社

神石高原町町内の広大な土地を持つゴルフ場を利用し、センチュリー株式会社が開発した防災ドローンを活用して、国内初の試みとなる、1,000mの高高度飛行実験及び、1,000mの水平飛行実験、5.7GHz帯で機体操縦・画像転送・データ転送の検証を行った。

センチュリー株式会社は、令和3年3月23日に神石高原町主催で行われた「ドローン実証デモ」に参加しており、今回もセンチュリー株式会社が保有する防災ドローンの社会実装の一環として、参画している。

今回の実験では、今後の高高度飛行による広範囲の周辺状況把握や、災害時の道路状況の影響を受けない上空から遠方への救援物資輸送等、災害対応における手段として有効であることが検証できた。

実証実験の様子

②獣害対策用赤外線カメラの性能試験:株式会社スカイシーカー

株式会社スカイシーカーは、神石高原町役場と協働して、町内の獣害の発生が想定される場所を夜間に新機種の赤外線カメラで撮影し、従来の赤外線カメラと比較することで、性能検証を実施した。

実証試験の結果、従来のカメラと比較し、より鮮明に撮影でき、周辺の鳥獣による掘り起こしなどを鮮明に確認することができた。

実証実験の様子

●神石高原町のドローンフィールドの一例

(執筆:デジタル行政 編集部 與那嶺 俊)