地域包括支援センターがIT活用で改善したいことは「相談内容の記録・入力の手間」「書類の多さ、入力・管理の手間」、システム選定時の重視項目は「機能・性能が優れていること」「保守体制・サービス」「職員が慣れたシステム」「費用対効果」「柔軟なカスタマイズ対応」
デジタル行政は、令和4年11月から令和5年1月にかけて、全国の地域包括支援センター4,927件を対象に、業務システム化・DX推進状況についてアンケート調査を実施した。回答数は392件であった。
地域包括支援センターは地域高齢者の総合相談、権利擁護や支援体制づくり、介護予防支援などを行う公的機関であり、令和4年4月末時点の設置数は、全国5,404ヵ所、ブランチ等を含めると7,409ヵ所となっている※。
※厚生労働省「地域包括支援センターについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001046073.pdf
地域包括支援センターの設置状況
回答した地域包括支援センターの運営種別は、自治体の「直営センター」が22.2%、「委託センター」が77.3%であった。
センターの直営種別
出典:シード・プランニング
地域包括支援センターの相談対応の状況
相談件数に対する対応リソースの状況は、「何とかギリギリ対応」が45.7%、次いで「やや人員・リソース不足」が36.2%、「人員・リソース不足が深刻」が13.5%であった。
総合相談で負担感が大きく、IT活用で改善したいことは、「相談内容の記録・入力の手間」が84.4%、「相談履歴の検索・共有」が42.1%、「日程調整や移動の手間・時間」が33.9%、「相談に対応できるスキル・知識」が31.1%、「対応事例・ノウハウの有効活用」が28.8%となった。
相談件数と対応リソースの状況
出典:シード・プランニング
相談対応で負担感が大きく、IT活用で改善したいこと
出典:シード・プランニング
地域包括支援センターのケアマネジメントの状況
ケアプラン作成のリソースの状況は、「何とかギリギリ対応」が41.1%、「やや人員・リソース不足」が31.6%、「人員・リソース不足が深刻」が21.7%であった。
IT活用で改善したいことは、「書類の多さ、入力・管理の手間」が76.8%と最も多く、次いで「利用者情報の入手・記録・管理」が59.7%であった。
ケアプラン作成件数と対応リソースの状況
出典:シード・プランニング
負担感が大きく、IT活用で改善したいこと
出典:シード・プランニング
地域包括支援センター用業務支援システムの導入状況
地域包括支援センターの業務支援システムの導入状況は、「パッケージ(サーバ設置)」の導入が41.6%、「パッケージ(クラウド)」の導入が34.7%であった。
システムの導入経緯は、「市区町村が導入したシステム」が46.2%、「所属法人が使うメーカーのシステム」が26.5%、「センターが独自に選定したシステム」が14.0%であった。
現在使用するシステムの総合評価は、「とても満足」が4.3%、「まあ満足」が55.1%、「やや不満」が21.4%、「とても不満」が5.9%であった。
システム選定時の重視項目について、「機能・性能が優れていること」が63.8%、「保守体制・サービス」が61.5%、「職員が慣れたシステム」が59.7%、「費用対効果」が51.3%、「柔軟なカスタマイズ対応」が51.3%と上位にあがった。
システムの導入状況
出典:シード・プランニング
システムの導入経緯
出典:シード・プランニング
現在のシステムの総合評価
出典:シード・プランニング
システム選定の重視項目
出典:シード・プランニング
本調査の概要
■調査対象
全国の地域包括支援センター4,927件(※ブランチ、サブセンターは対象より除外)
回収数392件、回収率8.0%
■調査方法 郵送アンケート調査
■調査期間 2022年11月~2023年1月
■調査主体 株式会社シード・プランニング デジタル行政 編集部