地域包括支援センターシステムのクラウド化を希望する自治体は15.3%。システム費用を100%負担する自治体が約7割。システム選定時の重視項目は「保守体制・サービス」「職員が慣れたシステム」「機能・性能が優れていること」「費用対効果」
デジタル行政は、令和4年11月から令和5年1月にかけて、全国1,741件の自治体(市町村および東京都特別区)を対象に、地域支援事業におけるシステム化・DX推進状況についてアンケート調査を実施した。回答数は189件であった。
自治体は地域高齢者の総合相談、権利擁護や支援体制づくり、介護予防支援などを行うための公的機関として、地域包括支援センターを設置している。地域包括支援センターは自治体が直営する場合と、自治体が社会福祉法人等に運営を委託する場合があり、令和4年4月末時点の設置数は、全国5,404ヵ所、ブランチ等を含めると7,409ヵ所となっている※。
※厚生労働省「地域包括支援センターについて」 https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001046073.pdf
地域包括支援センターの設置状況
回答自治体189件における地域包括支援センターの設置数は平均5.4拠点、合計1,025拠点であった。この1,025拠点における直営/委託の状況は、「委託センター」が75.9%、「委託ブランチ」が11.2%、「直営センター」が10.2%、「直営ブランチ」2.6%となり、全体の87.1%は委託型であった。
設置センターの直営/委託の状況
出典:シード・プランニング
地域包括支援センター用の業務支援システム導入状況
地域包括支援センター用の業務支援システムの導入状況は、「パッケージ(サーバ設置)」の導入が49.2%、「パッケージ(クラウド)」の導入が27.5%であった。
システムの導入状況
出典:シード・プランニング
現在使用するシステムの総合評価は、「とても満足」が7.9%、「まあ満足」が57.1%、「やや不満」が11.1%、「とても不満」が2.1%となった。
現在のシステムの総合評価
出典:シード・プランニング
自治体とセンターのシステム費用の分担状況は、「市区町村が100%負担」が68.8%、「委託先センターが100%負担」が21.2%、「市区町村と委託センターで折半」が3.7%であった。
システム費用の分担状況
出典:シード・プランニング
システム導入状況の回答が「システム未導入」「その他」「わからない」「不明(無回答)」を除いた137件において、システムのクラウド化に対する今後の方針は、「方針を検討・議論していない」が39.4%だった。「クラウドは導入しない/できない」という回答は3.6%あり、「今後、クラウドを検討したい」「検討・切り替えを進めている」は合わせて19.7%となった。
クラウド型システムに対する今後の方針
出典:シード・プランニング
システム選定時の重視項目について、「保守体制・サービス」は65.6%と、最も重視されている。次いで、「職員が慣れたシステム」が59.3%、「機能・性能が優れていること」が52.4%、「費用対効果」が51.3%と上位にあがった。
システム選定時の重視項目
出典:シード・プランニング
本調査の概要
■調査対象
市町村および東京都特別区(合計1,741自治体)の地域包括支援センター管理担当部署
回収数189件、回収率10.9%
■調査方法 郵送アンケート調査
■調査期間 2022年11月~2023年1月
■調査主体 株式会社シード・プランニング デジタル行政 編集部