自治体DX「申請書・手続き・届け出のオンライン化」の実施率約5割弱【RIETI調査】-[調査データ]
経済産業省が所管するRIETI、独立行政法人経済産業研究所は、自治体DXの現在地を明らかにし、課題を探ることを目的に、自治体DXの実証研究を実施し、その結果を公表した。
同研究では、「2021年度「自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に関するアンケート調査」」と題して、全国1718の市町村と47都道府県を対象に2021年10月にアンケートを実施、42%にあたる747の自治体から回答を得ている。
自治体のDX化の現状をアンケート結果をもとに定量的に分析した大変貴重な研究論文だが、ここではDXの取り組みに関するアンケート結果の一部をご紹介する。
まずは、「DX取り組みの状況」について聞いた結果が以下の通りである。
「文章のデジタル化」や「申請書、手続き、届け出のオンライン化」については、約5割弱の自治体が、「実証実験・部分導入」または「本格実施」と回答している。
表1 DX取り組みの状況
出典:RIETI – 独立行政法人経済産業研究所 ホームページ
続いて「DXを行った結果、業務フローや組織の見直しにつながったかどうか」について聞いた結果が下記の通り。
人口5万人以上の都市においては、過半数が「業務の見直しにつながった」と回答した一方で、人口5万人未満の都市においては、同回答の割合は約2割にとどまった。
自治体の規模によりその対応が分かれる傾向が見られた。
表2 DXを行った結果、業務フローや組織の見直しにつながりましたか
出典:RIETI – 独立行政法人経済産業研究所 ホームページ
なお、結果を取りまとめた論文では、自治体が指摘するDXを困難にする要因と、DXを行っていないと回答したことの関連を明らかにするためのプロビット分析を行っているとのことであり、ノウハウの不足、内部人材育成の難しさ、書面による手続きの多さなどの要因が実際にDXの障害になっていることを指摘。
小規模自治体ではIT設備やセキュリティ体制などハードウエア面での制約にも直面しているという課題も明らかにした。
また分析の結果、「DXの推進が業務フローや組織の見直しにつながった」と回答した、”より成熟したDXの段階にある自治体”では、より高い水準でテレワークを実施し、RESASをより積極的に活用してDXを地域に面的に波及させていこうとする政策立案の姿勢にも結び付いていることが見いだされた、としている。
(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)