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松本市、介護予防事業実現に向け電力データとAIによるフレイル検知の実証を開始[ニュース]

松本市、介護予防事業実現に向け電力データとAIによるフレイル検知の実証を開始[ニュース]

長野県松本市、中部電力株式会社、合同会社ネコリコおよびJDSCは、電力使用実績データ(以下「電力データ」)を活用したフレイル検知の実証実施に関する協定を締結した。2022年5月から、100世帯を対象に実証を開始する。

松本市は2013年に健康寿命延伸都市宣言を行い、市民一人ひとりの命と暮らしを尊重するまちづくりを進めており、2021年に策定した「第11次基本計画」の中でも、データに基づいた健康づくりや、フレイル予防の推進を掲げている。

また令和4年度より、和田・新村・波田・梓川・安曇・奈川地区6地区を「フレイル予防モデル地区」に指定し、国の実証への参加や、医療と連携したフレイル予防など積極的に取り組みを実施している。

一方、コロナ禍で職員による訪問やフレイル予防講座など高齢者との接点の維持が難しくなったことで、介護予防事業において重要となる、フレイルの早期かつ網羅的な把握や予防改善の働きかけが困難となっていた。

そこで、本協定により、中部電力株式会社・合同会社ネコリコ・株式会社JDSCが開発した電力データとAIによるフレイル検知技術を活用し、フレイルと推定される高齢者を早期かつ網羅的に把握することで、松本市職員が予防改善のための適切な働きかけを行うことを目指す。

実証は、2022年5月上旬からモニター募集を開始し、2022年5月中旬から2023年3月末までの期間、「フレイル予防モデル地区」の6地区(和田・新村・波田・梓川・安曇・奈川地区の6地区)で参加に同意した、ひとり暮らしの高齢者100世帯を対象に実施する。

今回の実証では、「フレイル予防モデル地区」に居住する高齢者で実証への参加に同意した人を対象に、対象者住居宅の電力データをAIで分析してフレイルと推定される高齢者を抽出。その結果を松本市に連携し、フレイルを早期に発見して適切な予防改善活動につなげていく。

実施4者の役割分担について、まず松本市は実証にあたっての住民説明、モニター募集、市民サービスへの活用検討などを行う。

そして中部電力は、実証の推進に向けたプロジェクトマネジメントを行い、ネコリコは、実証で使用する電力データの収集からフレイルリスクを可視化するシステム提供、JDSCは電力データを解析してフレイルを検知するAI技術を提供する。

(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)