吹田市教育委員会、「いじめ・不登校の防止」に関する調査研究、動画教材を報告会で発表[ニュース]
吹田市教育委員会は2月18日、「いじめ・不登校の防止」に関する調査研究、動画教材を報告会で発表した。
本事業は令和3年度に文部科学省から受託した「いじめ対策・不登校支援等推進事業」の取り組みである。同受託事業は、公益社団法人子どもの発達科学研究所が全面協力。有名イラストレーターを起用したオリジナルの動画コンテンツを制作し、授業で活用することによる効果をデータ分析により可視化することを試みた。
今回の報告会では、吹田市内の学校で実際に動画を使用した授業の実践例や、取り組み成果の科学的な調査結果を発表した。
実際に動画コンテンツを使って授業を実施した学校現場から、「このコンテンツを使うことにより、学級内にあった『トラブル』が解決に向かった」「支援学級でコンテンツを使ったところ、『ともだちづくり』の知識を学ぶことができた」といった成功事例も発表された。また、日常生活によくあるストーリーを採用しているため、「『当たり前』とされてきたスキルを『学ぶ』ことができ、子供たち全員が同じスタートラインに立つことができる」という点も現場では大変好評であると報告された。
報告会当日の様子はアーカイブ配信中。また、3月1日(予定)から、当日の様子に解説を加えた動画をYoutubeで限定配信を行う。
アーカイブ配信視聴申込はこちら(URL)
【事業報告】
動画コンテンツ『 ともだちづくり・かかわりづくりプログラム』の制作
いじめ問題は、深刻化を防ぐこと、予防に加えて、いじめの被害に遭った児童生徒の心の傷付きのケアと共に、二度と被害に遭わないように支援すること、いじめの加害をしてしまった児童生徒に、二度といじめをしないように指導することが大切である。
今回の事業では、いじめの被害者支援、加害者指導に加えて、全ての子供たちがいじめ予防スキルを学ぶことができる、オリジナル動画コンテンツを制作した。
動画は「社会的行動」「感情コントロール」「仲間づくり」「ソーシャルスキル」といった観点で制作され、様々な状況に合わせて適切なコンテンツを選択できる。さらに解説編では子どもの発達科学研究所の研究員が、科学的理論も交えながら、子ども向けにわかりやすく説明している。
この動画コンテンツを教育活動に取り入れることで、子どもたち一人ひとりがいじめ問題を「自分ごと」として捉え、予防や対策の理解が深まることが期待されるほか、さらに、指導者の経験やスキルに依存せず、誰でも一定の水準を保ちながら的確な指導を行うことができるのも、大きなの利点の一つである。
また、キャラクターデザインに有名イラストレーター イモカワユウ氏を起用。同氏の親しみやすい絵柄とやわらかな色合いを活かしつつ、小学校低学年でも理解しやすいよう配慮されている。
なお、当事業にて制作された動画コンテンツは、吹田市立教育センターのホームページで無料公開している(URL)。
(執筆:デジタル行政 編集部 柏 海)