ベネッセ、「行政・自治体のDX推進の現状・課題」に関するWEBアンケートを実施[調査データ]
株式会社ベネッセコーポレーション(ベネッセ社)は、2021年春に全国31自治体の職員約1,400人を対象に「行政・自治体のDX推進の現状・課題」に関するWEBアンケート調査を実施し、7月29日に結果を公開した。
ベネッセ社は2021年5月より、オンライン学習サービス「Udemy(ユーデミー)」を使った全国34自治体との「DX人材育成に関する実証研究」をスタートしており、今秋に研究結果を発表予定をしている。本調査は、この実証研究開始前に、実証研究に参加する自治体に実施した調査結果となる。
今回の調査概要及びサマリーは下記の通り。
【方法・調査期間 】WEBアンケート・2021年3月25日~2021年6月30日
【対象 】「DX人材育成に関する実証研究」に参加する31自治体職員 計1,378名
【その他】グラフ内、内訳数値は四捨五入の結果、合計が100にならない場合もあり。
①DX推進を担う職員のうち、約9割が庁内のITプロジェクト推進において「部門や職員によってIT知識に差があることが課題」であると回答。
②職員全体の約半数がIT知識不足のためITに抵抗があり、約7割が活用可能なIT技術が分からないと回答。また、約8割が、DX推進のために何から着手すればよいか分からない、学び方が分からないと回答。
ITプロジェクトの推進を担う人の約9割が、部門・職員間でのIT知識差が原因でプロジェクトを進めにくいと感じている。また約6割の職員が、取引先からIT関連の提案を受けても、適切な判断をすることが難しいと回答。DX推進を進めるにあたり、自組織内、関連先企業での調整、コミュニケーションが課題となっていることがわかる。
そのほか、「今後の都市計画にどうIT技術を組み込んでよいか分からない」など、自治体が描くDXプランとIT技術のマッチングを課題とする回答も多くみられる結果となった。
本調査の結果を受けて、ベネッセコーポレーション 行政・大学向けUdemy事業責任者の大宮千絵氏は次の通り述べている。
「DX推進にあたり、多くの自治体様から“人材育成の必要性”のお声をいただいております。皆様が「デジタルを活用し、いかに未来のくらし、自治体内の業務を良くしていくか」を考え推進される中、「組織間での知識差」の課題が大きいことを今回の調査結果から改めて感じております。自治体様の人材育成の取り組みとして、DX推進部門やDX推進監を設置するだけではなく、部門を超えて省庁内全体でのDX人材育成に取り組む動きも見られます。学びによって社会の課題を解決するベネッセとして、組織横断で最先端の学びをご提供することにより、行政・自治体のDX推進をご支援し、業務効率化や未来のくらしを良くしていくことを目指して参ります」
(執筆:デジタル行政 編集部 柏 海)