名寄市医療介護連携ICTが本格稼働[ニュース]
北海道名寄市が中心となり進められてきた名寄市医療介護連携ICT、ポラリスネットワークが本格的に稼働を開始した。
ポラリスネットワークとは、道北北部地域の患者に一貫性のある医療を提供するため、名寄市立総合病院の佐古和廣院長(当時)が発案し、同院が中心となり士別市立病院・枝幸町国民健康保険病院・市立稚内病院の4病院で平成25年6月にスタートした医療情報ネットワークシステム。正式名は「道北北部医療連携ネットワーク」と称する。現在は、同市以外では、浜頓別町国民健康保険病院と町立下川病院も参画している。
令和3年度からは、医療介護連携ICTシステムを追加する形で、新たに名寄市内の調剤薬局、歯科医院、介護サービス施設・事業所および地域包括支援センターも加わり、医療と介護の連携を強化した新たなポラリスネットワークとして本格稼働を開始した。
ポラリスネットワークを構成するシステムは、医療情報を共有する「ID-Link(アイディーリンク)」と医療介護施設間での情報連携を行う「Team(チーム)」である。同システムは国内で多数の導入実績を持ち、相互にデータ連携できるのが特長。
「Team」は加入者が利用する医療機関、居宅介護支援事業所、訪問・通所・施設サービス、地域包括支援センターなど多職種が診療、介護サービスに必要な情報を共有して連携を円滑に行うためのシステム。経過観察には文章のほか写真、動画を投稿することができ、また文書ファイルを共有することで、紙による伝達の頻度を減らすことが期待できる。
「ID-Link」は、1人の患者の病院や診療所での処方、検体検査、文書および調剤薬局の調剤結果を名寄せして同一画面で表示できるシステム。処方、検体検査、調剤データは「Team」と連動しており「Team」画面でも確認できる。
名寄市医療介護連携ICTの運用方針については今年1月に設置された名寄市医療介護連携ICT協議会が取り決める。事務局は名寄市地域包括支援センター内に設置され、名寄市内のICTシステムの運用管理を行う。
なお、同協議会の管轄は名寄市内医療介護連携までであり、市外および道北地域全体におけるID-Linkの運用は別途、名寄市立総合病院を中心に方針を定めるとのことである。
(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)