杉並区、児童虐待対応の強化にkintoneを導入[ニュース]
杉並区は児童虐待対応の強化を目的に、保育園をはじめとした子どもの属する関係機関との情報共有ツールとして、サイボウズ株式会社の「kintone(キントーン)」の利用を開始した。
近年、児童虐待は度々問題視されており、自治体での対策強化が求められている。コロナウイルス感染症の影響で学校が休止になる事態も発生し、児童の出欠状況の確認をより頻繁に行う必要もあり、杉並区では従来、保育園や学校から、月に一回の出欠状況を表計算ソフトやメールを使って提出を受けていたが、毎月約100通のメールが届くため、正確な情報把握と集計作業には時間を要していた。
今回kintoneを採用したことにより、保育園・学校等からの連絡をタイムリーに行い、対応すべき児童と傾向を的確に把握することが可能になった。また、今後は、私立保育園、幼稚園、学校などの関係機関との情報共有での活用を進めていく予定となっている。
杉並区の田中良区長はkintoneの導入にあたり、次のようにコメントを寄せている。
「区の子ども家庭支援センターに寄せられる児童虐待に関する相談・通告件数は近年大幅に増えています。こうした状況の中、児童虐待対応を迅速かつ的確に行うため、区では子ども家庭支援センターの職員を増員するなど体制を強化してきましたが、児童虐待の防止に向けては、子どもが発するサインに対しての保育園や学校、地域など多くの関係機関による気付きが非常に重要です。新型コロナウイルス感染症の拡大は、子どもの見守り機会の減少や、外出自粛などのストレスの高まりから家族関係の悪化を引き起こすなどの影響を及ぼし、児童虐待のリスクは高まっています。このような状況においても、支援が必要な子どもたちの様子を定期的に把握することが、児童虐待防止の取組には欠かせません。子ども家庭支援センターと関係機関との情報共有を迅速かつ確実に行うためにkintone」を活用し、子どもの命を守る取組にしっかりとつなげてまいります。」
(執筆:デジタル行政 編集部 柏 海)