長崎県長崎市、AIを使った漏水調査の実証実験を開始[ニュース]
長崎県の長崎市上下水道局は、wavelogy株式会社と連携し、漏水音をAIで診断・検査するシステム「SuiDo_AI」を用いた実証実験を開始した。本連携協力は、漏水音を可視化することによって有収率を向上させ、持続可能な水道事業運営を実現することが目的だ。
実証実験の背景
現在、水道の老朽化が進行していることを原因として、年間18万件以上の漏水・破損事故が発生している。また、それによって日本全国で年間1800億円以上の経済的損失が発生していると考えられる。そのほか、既存の方法での漏水調査は人材の不足や漏水調査単価の高騰や、技術評価ができないなどの課題を抱えている。
長崎市では、今回の実証実験をとおして水道事業体や漏水調査会社の地中漏水検査およびデータ活用を形式化し、人材不足解消と有収率向上を目指す。
実証実験の概要
実証実験に用いられるSuiDo_AIは、漏水調査現場で集音された音をオンラインで共有し、漏水場所の予測を自動で生成できるソフトウェアだ。今後は漏水判断業務の80%をAIに置き換えることを目指す。これによって集音業務が誰でも可能になり、現在と同じリソースで4倍以上の漏水判断業務ができるようになると期待される。
なお、本実証実験は令和7年3月末までの期間で行われる予定だ。
(執筆:デジタル行政 編集部)