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モノとデジタルによる新たな子育て支援―島根県江津市×ギフティによる「ごうつベイビーボックス」

モノとデジタルによる新たな子育て支援―島根県江津市×ギフティによる「ごうつベイビーボックス」


2023年10月5日、島根県江津市と株式会社ギフティは「ごうつベイビーボックス」の贈呈開始に伴う共同レクを行った。


現物ギフトとデジタルギフトで子育てをサポート

「ごうつベイビーボックス」は、現物ギフトとデジタルギフトを組み合わせた、江津市オリジナル仕様のギフトボックス。江津市による子育て支援策の一環として、10月5日から対象となる子育て家庭へのギフト配布が開始されている。

ギフトは、現物ギフト4万円分とデジタルギフト(デジタルギフトボックス「ごうつベイビーeGift」)1万円分を組み合わせた計5万円分。現物ギフトは、ベビー服、ベビービブ、シューズ、ガーゼケット、おもちゃ、メモリービスケット、マザーバッグなどの計10点。デジタルギフトは約800種類のラインナップから構成され、ギフトポイント内で複数のギフトを組み合わせることも可能となっている。

資料提供:江津市・株式会社ギフティ

ギフティによる一気通貫支援でギフト提供後までサポート

デジタルギフトサービスを展開する株式会社ギフティ 代表取締役 太田睦氏は、本施策におけるギフティの役割について説明。自治体が様々な課題に直面している中、同社はこれまでもデジタルギフトを活用した法人キャンペーンの展開に加え、自治体との連携も進めてきた。本施策で提供されている「giftee for Business」サービスを活用した自治体への新たな取り組みは、2022年末より広がりを見せていると述べた。

ギフティでは、ギフトの提案・提供から、効果測定など施策を一気通貫で請け負っている。特に効果測定について太田氏は、「実際に贈呈されたデジタルギフトボックスの受け取り状況を把握することができ、保護者様の交換実績、性別、年代などの可視化もできる。さらに、交換したギフトの選択比率を算出することで、実際にどのようなギフトが子育て世代に喜ばれているかの分析も可能となっています」と同社の強みを述べた。

また、同社が自治体にモノのギフトの提供するのは初の試みとなり、かつモノとデジタルギフトボックス(ECサイトなどオンラインでも店舗などオフラインでも利用可能な複数のデジタルギフトを詰め合わせたもの)を組み合わせたハイブリッド型のギフトが自治体に採用されるのも国内初のケースだという。


現物ギフトで一生の思い出を

江津市 中村中市長は、江津市の現状や本施策を実施するに至った経緯について説明。人口減少が進む中、江津市では令和4年度の出生数は98人となり、初めて100人を割り込む結果となったという。さらに全人口に占める0歳から14歳の比率も、5年間で1ポイント減少していると述べた。

このような課題を背景に、妊娠期から子育て期に渡る切れ目のない支援を目指してきたところ、フィンランド政府で行われている「ベビーボックス」(子どもの生まれた家庭に贈られる育児⽤品の詰め合わせボックス)制度に着想を得て、最終的にギフティとの協働に至ったという。 さらに中村市長はごうつベイビーボックスのデザインコンセプトにも言及。

「コンセプトは平仮名で『ゆらゆら』。赤ちゃんを抱っこすると無意識に体を揺らして、不思議と保護者様にとっても安心できる時間になっているような状態を『ゆらゆら』と表現している。また、ご提供するギフトを入れた箱自体も、お子様と保護者様との思い出作りの一助となる作りになっている。ファーストシューズや写真などを入れた宝箱のように使っていただくことで、ぜひお子様とのたくさんの思い出を残していただきたいと願っております」と、これからの子育て世代に対する想いを述べた。

(執筆:デジタル行政 編集部 渡辺 龍)