【群馬県前橋市】ローカル5Gを活用した遠隔型自動運転バス会社実装事業 [先進事例]
背景
群馬県前橋市では、路線バスのドライバー不足や運用コストの低減が課題となっている。そのため、令和3年6月に「前橋市地域公共交通計画」を策定し「公共交通による、まちなかの回遊性の向上」を目指している。課題の解決策として、中央前橋駅前ロータリー及び試験路をローカル5G化し、遠隔型自動運転バス社会実装事業を行った。
詳細
・車両と管制室間の情報伝送
ローカル5Gによって、走行状況を素早く把握するための車内外の高品質カメラ映像とセンサ情報の伝送が可能となり、運行に必要な情報の質が改善した。
AIによって「必要な時に必要な情報を必要な分だけ」の伝送が可能となり、遠隔監視者の監視効率や安全性が向上した。
・路側~遠隔管制室間の情報伝送
カメラ映像、特に自動運転車両の死角の情報が、ローカル5Gによってセンサ情報と高品質カメラ映像の伝送が可能となった。
本事業は、総務省の「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」事業を活用して実施した。
今後の取り組み
遠隔型自動運転バスの実装のためには、通信設計の最適化、自動運転技術の向上、法制度などの課題への対応が必要となる。令和4年度以降は、ローカル5G装置の仕様を継続して検討しながら、一部の路線においてレベル3自動運転の運行を実施し、段階的な実装を目指している。自動運転バスが社会実装されることにより「MaeMaaS」の推進に大きく寄与するものと考えている。
【参考情報①】
人口:33.5万人
実証地域:群馬大学、上毛電鉄中央前橋駅
実施体制(コンソーシアム):一般社団法人ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構、前橋市、日本電気㈱、日本モビリティ㈱、群馬大学
【参考情報②】
令和3年度「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた 開発実証」事業(総務省)とは
URL:https://go5g.go.jp/carrier/令和3年度ローカル5g開発実証報告書/
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
総務省「自治体DXの推進」:
https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)