【山梨県】畜産業におけるビッグデータの活用[先進事例]
山梨県は、畜産業において、ビッグデータの活用を始めた。
ビッグデータ活用の概要
山梨県は米国から高能力の乳用牛を生体輸入した。さらに、米国の高能力な乳用牛から採取した受精卵も購入し、その子孫を増やした。山梨県は優良な乳用牛を選抜するために、全国でデータ集積をしている。集積するデータの内容は、乳量・乳成分などの個体能力や発育・体型などである。これらのデータをもとに遺伝的能力が分析され、算出される総合指数によって選抜をしている。
選抜した乳用牛は、供卵牛(受精卵を採取する牛)として利用している。農家牛群の改良を推進し、経営安定化を図るために、採取した受精卵を県内農家に供給している。
取り組みのきっかけ
牛が乳生産を開始するまで2年以上かかる。さらに能力を向上させるにはそれなりの時間を要する。山梨県は、農家の収益向上につながる取り組みを考え、遺伝的能力評価を行うに至った。能力評価をすることで優良な能力を持った牛が選抜できる。その牛の受精卵移植をし、県内に広く供給することで問題解決に挑んでいる。
活用した国や都道府県の支援制度
山梨県は、今回の事業を実現するために牛群検定事業を活用した。これは農林水産省所管の独立行政法人家畜改良センターが活用している制度である。
事業の近況
山梨県は令和3年度に21個の受精卵を県内農家に販売した。令和4年度には、年間53個の受精卵を販売する予定だ。
【参考情報】
人口:82.1万人
関連URL:https://www.pref.yamanashi.jp/chikushi/documents/r2-
1_kyorangyu.pdf (山梨県畜産酪農技術センター成果情報)
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
総務省「自治体DXの推進」: https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)