【奈良県】タブレットを活用した遠隔手話通訳サービスを導入[先進事例]
奈良県は、医療機関で受診する聴覚障がい者を対象に、遠隔手話通訳サービスの導入を実施した。タブレットを活用したインターネット経由のテレビ電話で、遠隔手話通訳が可能だ。
遠隔手話通訳サービスを導入の背景
近年、新型コロナウイルス感染症の蔓延が懸念されており、人との接触機会を減らす必要がある。しかし新型コロナウイルス感染対策に伴い、感染の疑いのある聴覚障がい者が医療機関で受診する際、手話通訳を受けづらくなる事象が発生している。手話通訳者にも感染する恐れがあるため、医療機関への同行は困難なことが原因のひとつだ。
遠隔手話通訳サービスを導入
コロナ禍においても、聴覚障がい者が医療機関で受診できる体制が必要である。そこで、奈良県は、帰国者・接触者外来を実施している医療機関にタブレットを設置し、遠隔での手話通訳サービスを導入した。医療機関のほかにも、県聴覚障がい支援センター・希望市町(県内11市町)などに設置。さらに、令和3年度には4市町が希望し、端末を導入した(令和3年11月末時点)。市町村分の端末費用は、各市町村が負担している。
今後の展望
タブレットの導入を通して、聴覚障がい者が、円滑に手話通訳を受けられる環境が整った。今後、感染症対策以外のシーンでもタブレットの導入が検討されている。新型コロナウイルスのさらなる蔓延や災害が発生したときに備え、人にやさしいデジタル化を推進する。
【参考情報】
人口:134.5万人
関連URL:https://www.pref.nara.jp/item/229652.htm (県HP)
※本記事は令和4年9月に総務省より公表された「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」を基に作成・編集している。
総務省「自治体DXの推進」: https://www.soumu.go.jp/denshijiti/index_00001.html
「地域社会のデジタル化に係る参考事例集【第2.0版】」:
https://www.soumu.go.jp/main_content/000835268.pdf
(執筆:デジタル行政 編集部)