相模原市、睡眠不足を発話音声から検知し交通事故を減らすリスク管理DXに協力[ニュース]

相模原市、睡眠不足を発話音声から検知し交通事故を減らすリスク管理DXに協力[ニュース]

神奈川県は、主催する「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」の「BAK NEW NORMAL PROJECT 2022」にリスク計測テクノロジーズ株式会社(RimTech)を採択した。
ジェネクスト株式会社と連携し、ポストコロナを見据えた新たな事業創出に向けて、「発話音声から睡眠不足を検知し交通事故を削減するリスク管理DXの開発を進めていく。
相模原市北消防署警備課、企業誘致推進課様がデータを収集に協力し、相模原市北消防署にタブレットを設置・消防職員の皆様を対象に発話音声データの収集を開始する。
相模原市の参画により、このプロジェクトの累計参加者数は130名を突破する見込みだ。RimTechは、リスク計測技術を活用することで「発話音声を基に、眠くなる可能性を予測する技術」を開発し、睡眠不足を起因とする交通事故の削減を目指す。

プロジェクトについて

■データ収集のイメージ
インターネットに接続したデバイスを使用して発話音声データを収集する。
収集するタイミングは、「出勤時」「仮眠前」「退勤時」となる。
発話音声データの収集にはRimTechが開発した専用のWebアプリケーションを使用し、収集の都度、AI音声解析エンジンMotivelで解析し、感情やモチベーションの状態が即時に分かる。

■累計参加者数
今回の相模原市の参画により、プロジェクトの累計参加者数は130名を突破する。
<2022年11月時点で協力している自治体>
・横須賀市様(2022年10月〜、収集終了)
・小田原市様(2022年11月〜)
・相模原市様(2022年11月〜)

■音声解析エンジン“Motivel”
RimTechは、組織の「リスク管理、コンプライアンス、ガバナンス」の体制構築や運用を支援する「リスク管理プラットフォーム」を開発・提供している。
AI音声解析エンジン“Motivel”は、リスク管理プラットフォームを形成するプロダクトで発話音声のほか、様々な音を解析する機能を有している。現在、主に人のセンシングを通じて、人に関するリスクを削減する様々なソリューションとして活用されている。

■本プロジェクトの背景
国内の年間交通事故件数は、約30万件(2021年)となっており、ピーク時の約95万件(2001年)から大幅に減少しているものの、まだ減少の余地を大きく残している。
昨今では2022年4月に道路交通法が改正され、アルコールチェックの厳格化が進んでいる。
また、2018年には、旅客自動車運送事業運輸規則および貨物自動車運送事業輸送安全規則が改正され、睡眠不足の乗務員を勤務させることが禁じられている。
一方で、規制の強化に伴い、乗務員の安全管理に関する業務の負荷が増していることも事実。安全性を確保しながら業務負荷を軽減するためにも、DXによる新しいソリューションが求められている。
RimTechは、人に関するリスクの削減に向けた発話音声解析エンジン“Motivel”を提供している。
“Motivel“の活用事例としては、露プーチン大統領のストレスを発話音声データから可視化することに成功している(注)。
(注)参考記事:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC2856X0Y2A320C2000000/

■実証実験実施企業
採択企業:リスク計測テクノロジーズ株式会社
連携企業:ジェネクスト株式会社

■ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)とは
神奈川県では、県内に拠点を持つパートナー企業と質の高いベンチャー企業による事業連携プロジェクトの創出と、オープンイノベーションに向けたコミュニティ形成を目的として、パートナー企業・ベンチャー企業・研究機関・支援機関等に参画いただく協議会「BAK」を主催している。BAKでは、企業が抱える課題や実現したいテーマに基づき、パートナー企業等とベンチャー企業のマッチングを行い、事業化に向けた支援を行っています。

(執筆:デジタル行政 編集部 加納 奈穂)