9月より約100自治体が、ふるさと納税「ワンストップ特例申請」を完全オンライン化する公的個人認証アプリを順次利用開始[ニュース]
シフトプラス株式会社が2022年8月にリリースし、宮崎県都城市で先行利用開始されていたふるさと納税「ワンストップ特例申請」を完全オンライン化する公的個人認証アプリの利用申込み自治体が100を超えた。
同アプリは、同社とNTTコミュニケーションズとの共同開発によるもので、マイナンバーカードを使用した本人確認と電子署名が可能な「公的個人認証」を、スマホ1つで利用可能とするものである。
平成20年に創設された「ふるさと納税制度」の利用者は年々増加し、昨年度は6,724億円、3,488万件の寄附があり、過去最高額・過去最多件数となった。その中で、寄附者の多くが活用するワンストップ特例制度では、未だ紙での申請が必要となっており、寄附者の手間、自治体のコストアップ・作業の負荷が大きな課題となっている。
そこで、マイナンバーカードを利用した「公的個人認証」による本人確認と電子署名を利用することで、「ワンストップ特例申請」を完全にオンライン化できるということで、両社によるアプリの共同開発に至った。
公的個人認証サービスは、マイナンバーカードを利用し、オンラインで行政手続を行う際に、他人による「なりすまし」やデータの改ざんを防いで安全・安心に申請や届出を行うために用いられる手段であるが、従来はPCとカードリーダーが必要であった公的個人認証が、アプリのみで利用することができることとなる。
ワンストップ特例申請の新たなシステムでは、まず、寄附者がスマートフォンから自治体ごとの申請サイトに直接アクセスし、本人情報を入力、申請内容を確認することで指定アプリが起動する。
この指定アプリは公的個人認証サービスに対応しており、マイナンバーカードの読取が可能。アプリでマイナンバーカードを読取り、マイナンバーカード申請時に設定した電子署名用パスワードを入力することでワンストップ特例申請が完了する。
このようにスマートフォン上でワンストップ特例申請が完結するため、これまで寄附者がしなければならなかった、署名、本人及び番号確認書類の写しの添付、切手の貼付・投函などの一連の作業が不要になり、また、自治体側もこれまでのワンストップ特例申請書類の大量な開封・チェック作業のコストを削減することができ、双方の立場でワンストップ特例制度における抜本的な作業軽減が期待される。
(執筆:デジタル行政 編集部 野下 智之)