価格と使いやすさにこだわった話題のeラーニングシステム「learningBOX」とは[インタビュー]
「learningBOX(ラーニングボックス)」はクラウド型のeラーニングシステム。直感的なUI/UXにこだわり、専門的なIT知識がなくても手軽に教材の作成やメンバーの管理、成績の保存や閲覧などを行うことが可能で、これらの機能を100名の利用で年間3万3,000円からという業界最安値クラスの価格で提供している。learningBOX株式会社の西村 洋一郎代表取締役にlearningBOXの開発背景やサービスの特徴、自治体や学校における活用事例などについて話を聞いた。
(Sponsored by learningBOX)
スタートは無料のWEBクイズ作成ツール
―自己紹介をお願いいたします。
learningBOX株式会社、代表取締役の西村と申します。大学在籍中から卒業後も一貫してソフトウェア工学を専門とし、主にeラーニングのシステム開発に携わってきたエンジニアです。
代表的な実績としては、国内最大のeラーニング関連NPO法人「非営利活動法人日本イーラーニングコンソシアム」にLMS(Learning Manegement System)として登録されている複数のシステム開発を手掛けました。また、競技プログラミング(Atcoder)も好きで、PHP分野では世界上位を維持しています。
2012年7月に独立し、地元である兵庫県たつの市で起業しました。(2022年7月)現在の従業員数は72名です。
―社名にもなっているlearningBOXとはどのようなサービスなのでしょうか。
learningBOXは「低価格で使いやすい」をコンセプトにしたクラウド型eラーニングシステムです。直感的なUI/UXにこだわっており、専門的なIT知識がない方でも手軽に教材の作成や管理、メンバー管理、成績の保存や閲覧などが行えるサービスです。100名の利用でも年間3万3,000円からという業界最安値クラスの価格設定です。
―learningBOXの開発の背景をお聞かせください。
私はeラーニングシステム開発のエンジニア出身であるものの、創業当初はeラーニングを主力事業としておらず、企業や通信学校のシステム開発の請け負いやアプリ開発を行っていました。
一方で、誰でも自由にオンライン上で学習コンテンツを作れるようにしたいという思いも持っており、半ば趣味のような形でWebクイズ作成ツールの「QuizGenerator(クイズジェネレーター)」を開発し、無料かつ商用利用可で公開していました。
いつのまにか口コミでユーザーが増え、本業をしのぐ数のお問い合わせをいただくようになったことが、教育システムへと舵をきり直したきっかけです。
「QuizGenerator」に関するお問い合わせのほとんどは、中小企業のオーナーや個人塾の先生などでした。「とっても使いやすい!」という感謝のメッセージとともに「成績保存や受講生管理もしたい」というeラーニングシステムとしての開発要望を多くいただいていました。
これは2010年代初頭のことで、既にeラーニングは成熟産業と思われていた時代でしたが、従来型のサービスは価格が高く、操作が難しいものが一般的でした。そのため、大企業などの利用が中心で、予算が限られ専任のIT担当者がいない中小企業には手が届いていないという実態が見えてきました。それなら自分たちで作ろう!ということで、learningBOXの開発に着手しました。
IT知識がなくても手軽に使えるのが魅力
―他のサービスとの違いや差別化のポイントはどこにありますか。
「価格」と「使いやすさ」です。100名の利用で年間3万3,000円からの料金プランをご用意しており、1ヵ月あたり1名27.5円と、業界相場と比べても圧倒的な価格競争力を実現しています。また、10名までなら無期限でほぼ全ての機能が無料でご利用いただけます。
使いやすさに関しては、直感的なシステムUIで専門的なIT知識を必要とせず、eラーニングの導入をスムーズに行っていただけます。人事研修や教育担当者、または教員の方がご自身で手軽に学習コンテンツを制作できることに強みがあります。
―learningBOXは管理者側・学習者側、それぞれの立場で具体的にどのような点が優れているのでしょうか。
管理者にとっては、IT知識を必要とせず、Web上で教材の作成や管理、メンバーの管理、成績の保存や閲覧などを行うことができます。また、複数人で管理を分担して行う場合でも、担当者ごとに詳細に権限設定を行えることから、情報管理を担保しながら効率よく教材作成から運営までを行うことができます。
学習者にとっては、豊富なコンテンツ形式と直感的なUIが魅力で飽きずに学習を続けることができます。クイズ一つをとっても13種類もの出題形式があり、楽しみながら学習を行うことができます。また自身の学習履歴や成績の分析を行うことができ、苦手分野の可視化にも役立ちます。
―learningBOXのサービスの現状についてお聞かせください。
おかげさまで、累計登録者数が1万7,000名、総ID発行数は約23万に達しており、業界・業種を問わず、多くのユーザーの皆様にご活用いただいています。
3ヵ月ごとに大規模な機能アップデートを行っており、ご要望の多い機能から順次開発を進めています。今後も「EdTechのチカラで、世界を変える」という企業理念のもと、兵庫県から世界を見据えて、より多くの人への教育機会の創出に貢献していきたいと考えています。
DX推進などでニーズは増え続けている
―learningBOXを利用される顧客はどのような層でしょうか。
最も多いのは企業・団体の社内研修でのご利用です。次に通信教育、検定試験、学校などの文教分野の方にもたくさんご利用いただいています。
独自の学習コンテンツを内製して研修・教育をeラーニングで実施したいというニーズにお応えするサービスですので、利用される業種や分野は先ほど申し上げた以外にも非常に多岐に渡っています。
―貴社サービスを利用する方々は現在、どのような背景・課題を抱えているのでしょうか。またlearningBOXは実際にどのようなケースで使用されているのでしょうか。
サービス提供開始当初から一貫して、研修や教育の成果を測定・分析・評価するための手段としてのニーズが高まり続けています。実施した研修・教育に対して、受講者がどの程度知識が定着しているのか把握して、その次の研修・教育プログラムに利活用するという使い方が非常に重視されるようになっています。
社会情勢の変化が激しい中で、求められる知識の変化も激しく、つどつど学習コンテンツを外注するのではなく、独自にコンテンツを内製化し、その定着度合いを独自のテストなどで確認するという必要性が高まっています。
具体的にはコンプライアンスやハラスメント研修などの実施が必須なものや、環境変化によって行う必要がでてきたDX研修、プログラミング研修などに加えて、独自の社内研修や試験などに活用されています。
―特に、自治体や学校の場合ですとlearningBOXはどのような使われ方をされているのでしょうか。また、おすすめの使い方や事例もありましたらご共有ください。
職員の方向けの研修に広く使っていただいています。また、外部のボランティアの方向けに、活動に参加してもらうにあたって必要な事前説明を行う教材・確認テストなどにもご活用いただいています。
learningBOXは、受講対象者が多岐に渡り、一斉研修などが行いづらいものに適しています。頻発する自然災害に対応するための危機管理・安全管理のマニュアルや行動基準など、正確な知識の定着が求められるものとして、職員の方だけではなく、地域の方やボランティアの方への研修も想定されます。防災に関する地域力の向上は自治体の方も注目している課題だと思います。
また、近年では学校でのボランティアや外部の指導員、部活のコーチなどへの研修でも積極的なご利用が増えています。
さらに最近では、セミナーの開催や動画配信のプラットフォームとしても多くのお問い合わせをいただいています。learningBOXの成績管理機能やアンケート機能をご利用いただくことで、動画の公開と視聴者の管理も容易に行うことができます。
他にもお悩みのケースがございましたら「こんなことはできますか?」とささいなことでもご相談いただければと思います。皆さまのひらめき・アイデアを、EdTechのチカラで実現します。
“学び”をもっと楽しいものにしていきたい
―eラーニング市場の市況感についてはどのように捉えていますか。また、eラーニングに対する注目が集まっている理由をどのように考えていますか。
コロナ禍における、研修や教育をオフラインからオンラインへ置き換えるといった一次的な特需は一段落しましたが、今後も引き続き継続的に市場拡大を見込んでいます。
eラーニングの本来の価値は、オフラインをオンラインに置き換えることではなく、いつでも・どこでも・好きなときに・好きなだけ学習できることです。対面学習とうまく組み合わせて研修・教育プログラムを構築することで、成績データの利活用を含めて学習効果を最大化させることができ、この点は今後も注目を集めると考えています。
―現在ご認識のeラーニング市場の課題についてお聞かせください。また、今後市場が更なる発展をするために必要なアクションはどのようなものを想定しておりますか。
日本は社会人になってからの学習量が他国と比べて圧倒的に少ないので、人材育成に予算をかけるという社会的な取り組みが必要ではないかと考えています。企業もですが、各々が生き残るためには人生100年時代、継続的に学び続けるという覚悟が必要ではないでしょうか。
当社としては、学びを堅苦しいものではなく、楽しく能動的なものにしていきたいですね。
―今後の事業展望や目標についてお聞かせください。
learningBOXのシステムはまだまだ発展途上だと思っています。eラーニングシステムとしての基本的な機能は一通り揃ってきてはいますが、学びをもっと楽しく能動的にするアクティブラーニングやゲーミフィケーション要素をより強くしていきたいと考えています。
また、内製コンテンツを手軽に作れることを売りにしている一方で、研修構築にあたっては、外部教材を活用することでより効果的な研修が構築できることも事実です。そういったご要望も多くいただいていますので、良質な教育コンテンツを制作できるコンテンツプロバイダーとの提携を視野に入れていて、learningBOX上で内製教材と外部教材を一元管理できる機能の開発を計画しています。
今後もlearningBOXの開発・運営を通じて、世界中の人に開かれた教育機会を創り出すことで豊かな社会の発展に貢献していきたいです。